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森氏発言で「五輪台無し」 開催の意味再考を 女子マラソンメダリスト有森裕子さんに聞く

2021/2/11 23:17

有森裕子さん

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が女性蔑視発言で辞意を固めたことを受け、陸上の女子マラソンで五輪2大会連続メダリストの有森裕子さん(54)=岡山市北区出身=は11日、「誰がトップになろうが組織委の皆さんがいま一度、五輪を開催する意味を考え、すり合わせなければ同じ事が起きる」と指摘した。中国新聞の取材に応じた。

 2010年に国際オリンピック委員会(IOC)の「女性スポーツ賞」を受けた有森さん。今回の問題は性差別に特化されるべきではないという。

 「国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)などの問題提起をスポーツという手段を通し、感動と共にメッセージ性を持たせて浸透させるのが五輪の役割。なのに五輪をやろうとしている国の組織のトップが、開催する意味がないくらいのメッセージで全て台無しにした」と嘆く。

 森氏の謝罪会見も「何回訂正しようが信頼、信用してもらうのは難しい」と苦言。IOCに対しても「『この問題は決着したと考えている』と最初に表明したのはアウト。安易な発信で不安、不信感が満載になった」と危惧する。

 国内で大会ボランティアや聖火ランナーに辞退を表明する人が相次ぐ。「五輪は世界中の人々がスポーツを通して集い、つながり、平和の維持や互いの理解を深め、シェアするための祭典。主役はアスリートだけじゃない。組み立てる人も主役。それが国民に伝わらない限りは開催の共感は得られない」と説く。

 その上で後任の会長に挙がるJリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏には「誠意、熱い思いのある人で、それをすごく伝えようとされる」と期待する。一方で森氏に「全部委ねてきた」という組織委のガバナンス(統治)に疑問を呈し、信頼回復や体制の立て直しを含めて「リーダー任せでは駄目」という。

 東京五輪がビジョンに掲げる「多様性と調和」を再び世界に発信できるか。「今回をきっかけにできるかは組織委や政府、日本のスポーツ界次第」という。改めて浮き彫りになった性差別などの問題に社会全体として取り組む必要性にも触れ、自らも「スポーツが社会的に持つ役割や価値を、五輪を経験した一人として伝えていきたい」と語った。(中橋一誠)

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