地域ニュース
オオミズナギドリ危機 絶滅危惧U類 イノシシ、巣荒らす 山口県上関の無人島・宇和島(2019年4月23日掲載)
山口県上関町の無人島の宇和島で営巣する県レッドデータブックの絶滅危惧U類のオオミズナギドリが危機にひんしている。本土から海を渡り上陸するイノシシに巣穴を荒らされているためだ。自然保護団体などの調査では昨冬巣立ったひなは3羽だけだった。
オオミズナギドリはミズナギドリ科の渡り鳥で体長約50センチ。中国地方では宇和島のほか、萩市の鯖島や島根県西ノ島町の星神島などが営巣地。いずれも無人島で犬や猫などの天敵がいない。木の根付近などに掘った穴の奥で1年に卵を1個産む。3月ごろに日本に飛来する。ニュージーランドやフィリピンで越冬する。
3月下旬、地元の自然保護団体「上関の自然を守る会」の高島美登里共同代表たちと島に渡った。同町長島から南に約6キロ。雑草地などの斜面にはイノシシに掘り返され壊された巣があちこちでみられる。イノシシは卵だけでなく、ひなや成鳥も食べるという。
巣穴を定点観測する福山大の渡辺伸一准教授(動物生態学)たちによると、2015年に90カ所あった巣穴はこの3月に15カ所まで減少。多くがイノシシの被害とみられる。同大が観測を始めた当初の10年ごろは60〜70カ所の巣穴で産卵を確認。15年は32羽、17年は17羽が巣立ったが、18年は3羽しか確認できなかった。同大が設置した暗視カメラにはイノシシが巣穴を掘り返し、飛び立つ前の鳥を追い掛ける映像が残っていた。守る会の高島さんは「生物の多様性を維持するためにも何とか守りたい」と話す。
山口県でも近年、離島で海を渡るイノシシの被害が深刻化し、18年度は上関町の祝島で50頭、八島で20頭を捕獲。宇和島のオオミズナギドリの生態に詳しい日本鳥学会の飯田知彦さん(52)=広島市東区=は「飛び立つまでに助走を要するなどで天敵が現れれば一気にやられる。守るにはイノシシを駆除するしかない」と懸念する。(堀晋也)
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