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【詳報】克行被告元秘書公選法違反事件の広島地裁判決<上>

2021/2/16 21:20

 衆院議員の河井克行被告(57)=公選法違反罪で公判中=の妻案里元参院議員(47)=有罪確定=が初当選した2019年7月の参院選広島選挙区で、法定上限の2倍の報酬を車上運動員14人に支払ったとして同法違反(買収)の罪に問われた克行被告の元政策秘書高谷真介被告(44)=東京都葛飾区=の判決公判が16日、広島地裁であり、杉本正則裁判長は懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。判決の詳報は次の通り。

 【詳報<下>はこちら】

【主文】

 被告を懲役1年6月に処する。5年間、刑の執行を猶予する。

【理由の要旨】

(認定した犯罪事実の要旨)

 被告は、第25回参議院議員通常選挙広島県選挙区の立候補者河井案里氏の選挙運動者であるが、同じく選挙運動者の立道浩元公設第2秘書および陣営の事務長男性と共謀の上、河井案里氏に当選を得させる目的をもって、2019年7月19日頃から同月23日頃までの間、14回にわたり、広島市中区中町の河井案里選挙事務所など5カ所において、同じく選挙運動者である車上運動員14人に対し、報酬として、経理担当者らを介し、手渡しまたは振り込みで、合計204万円を供与し、もって法定の支給限度額(1人1日につき1万5千円)を超える金員を供与した。

(事実認定の補足説明)

1 本件の争点

 14人の車上運動員に法定の支給限度額を超える報酬が支払われたこと、被告自身がその支払い行為を行っていないことは当事者間に争いがない。争点は、車上運動員への報酬支払いについて、被告に限度額を超えることの認識があったか否か、ならびに、被告が立道氏および事務長男性と共謀したか否かである。

2 客観証拠および信用性十分な供述から認められる前提事実(日付は2019年)

(1)選挙事務所の設立および設立当初の職員の確保

 広島県議会議員であった河井案里氏は、自由民主党の公認を得て、3月20日に参院選出馬を表明した。3月27日、案里氏が支部長を務める自由民主党広島県参議院選挙区第七支部(「第七」)が設立され、4月22日、選挙事務所の事務所開きが行われた。

 案里氏の選挙活動には、自由民主党広島県連の支援が得られず、選挙スタッフ確保が課題となっていた。案里氏の夫である衆院議員河井克行被告の政策担当秘書であった被告は、4月中旬頃から広島に常駐し、地元常駐の克行被告の藤田一公設第1秘書および光元博美公設第2秘書とともに案里氏の選挙スタッフとして活動することになった。藤田秘書は、ハローワークに求人を出すなどして臨時のスタッフを確保した。もっとも、光元秘書は選挙スタッフの経験がなく、臨時のスタッフも選挙活動の経験がなかった。そこで、自由民主党本部から紹介された自由民主党職員OB、桧山俊宏広島県議から広島県内の選挙事情に通じているとして紹介を受けた事務長男性を選挙スタッフに迎えた。さらに、18年12月に克行被告の秘書を退職していた案里氏の前田智代栄・元公設第1秘書は、案里氏の依頼で選挙スタッフとなった。立道氏も克行被告の秘書を退職していたが、前田元秘書の依頼で、5月上旬頃から案里氏の運転手となった。

(2)選挙事務所内の指示・報告体制
(ここまで 1282文字/記事全文 4940文字)

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