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政府・都へ問題提起 「聖火中止検討」突然の表明 島根知事

2021/2/17 23:03

聖火リレー県実行委で中止の検討を表明する丸山知事

 「人口や知事の力の差を県民に及ばせてはいけない」。東京五輪聖火リレーの中止検討を表明した島根県の丸山達也知事は17日、県庁での記者会見で強調した。昨年来の新型コロナウイルス感染症の「第3波」で、東京都や政府による感染抑制策が緩く、地方への経済対策も弱いとして批判を続けてきた。県内外への突然の表明は、成果が得られない中での「問題提起」だった。

 島根県は全国に比べて感染者が少なく、死亡者も唯一、ゼロに抑えている。その一方、1月から首都圏などで続く2度目の緊急事態宣言や、昨年末からの国の観光支援事業「Go To トラベル」の全国一斉停止のあおりは等しくかぶり、地域の飲食、旅館業者は大打撃を受ける。

 事業者の要望もあり、丸山知事は政府の対策が感染拡大地域に集中し、不公平感があると批判。「感染を抑えられている地域でも給付金の支給を」「地域限定のGo To トラベルの再開を」と、要望を対面やウェブで繰り返した。

 県幹部に聖火リレーの中止検討を指示したのは、数日前だった。今月3日、厚生労働省を直接訪れ、地方への感染拡大防止策として、東京都のように保健所の濃厚接触者の調査を縮小している地域がないか調べて情報提供するよう要請。しかし回答はなかったという。首都が「無策」な状態にあると判断。丸山知事は17日の会見で「東京での感染拡大は全国へ広がる要因となる。島根県も無縁ではない」と危機感を述べた。

 ただ、全国での聖火リレー開始が約1カ月後に迫る中、多くの関係者から見れば表明は突然だった。県内の会場となる14市町村の首長からは、理解を示す声がある一方、丁寧な説明を求める意見も相次ぐ。大会組織委員会との調整も見通せない。会見で「要望をかなえるために聖火リレーを手段として使ったのでは」と問われ、丸山知事は「政治利用だという人もいるが、五輪の招致こそ政治そのものだ」とした。県内外ともに協議はこれからになる。(松本大典) 

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