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「オール呉産」酒造り10年 蔵元3社・農家・販売店タッグ

2021/2/21 21:00
呉未希米を原料にした「宝剣」を手にする土井さん

呉未希米を原料にした「宝剣」を手にする土井さん

 呉市内で栽培した酒米と地元の蔵元による「オール呉産」の日本酒造りの取り組みが、10年を迎えた。宝剣酒造、相原酒造、榎酒造のメーカー3社と農家、地元の酒販店の呉山城屋が協力し、ブランドを築いてきた。今後も呉の酒造りを盛り上げていく考えだ。

 郷原町や苗代町産の酒米、八反錦を独自に「呉未希米(みきまい)」と名付け、原料にしている。発起人の宝剣酒造の杜氏(とうじ)で社長の土井鉄也さん(45)は「同じ酒米を使っても蔵元によって味わいは違う。それぞれがおいしさを追求してきた」と説明する。

 同社は「宝剣」、相原酒造は「雨後の月」、榎酒造は「華鳩」の銘柄で、ラベルに呉未希米と表示する。3社とも精米歩合60%の純米酒。今年の生酒は1日に発売した。

 蔵元や呉山城屋は米作りから関わる。家族ぐるみで田植えや収穫を手伝い、農家と交流を重ねてきた。呉山城屋の土谷顕禎(あきさだ)社長(47)は「皆で協力するからこそ、お客さんに安全安心を伝えやすい。商品に愛着も湧く」と語る。農家の意欲向上にもつながっている。

 発端には、耕作放棄地を減らそうと、食用米より高値がつく酒米の栽培を奨励する市の後押しがあった。市から酒米引き取りの提案を受けた土井さんも、オール呉産を売り出せる利点を感じた。呉未希米の名には、未来への希望となる酒米にしたいとの思いを込める。栽培は2011年に始まって徐々に生産量を増やし、現在は農家7戸が計3ヘクタールで取り組んでいる。

 新型コロナウイルス禍が続く今、酒の売り上げは苦境にある。土谷社長は「造り手の思いを発信していく。3蔵元の味を飲み比べてほしい」と呼び掛ける。720ミリリットル入りはいずれも1485円。(東谷和平) 

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  • 榎酒造の「華鳩」(左)と相原酒造の「雨後の月」

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