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路面段差の上関大橋、06年にも損傷 長島側で鋼材破断、山口県は公表せず
2021/2/25 7:00
山口県上関町の上関大橋で本土の室津側の路面に約20センチの段差が生じた問題で、段差の原因となった鋼材の破断が2006年に対岸の長島側でも発生していたことが24日、分かった。橋を管理する県は15年前の損傷を公表していない。開会中の県議会でも議論を呼びそうだ。
長島側の破断は老朽化に伴う補修・補強工事前の06年2月の超音波探傷試験で見つかった。橋桁を垂直につなぎ留める全18本の鋼材のうち7本が破断。室津側では確認されなかった。その後、長島側の橋台のコンクリートを取り除いて半数の9本を調べた結果、全てに腐食が広がっていた。水の浸透が要因とみられる。
県は長島側だけケーブル4本を外付けし、橋桁を橋台に固定して補強。当時は交通規制をしていない。室津側を補強しなかった理由を県道路整備課は「目視の点検でも異常がなく、様子を見ていた」とする。
室津側の段差は昨年11月14日に発生。全18本の鋼材のうち8本の破断が判明した。腐食などが疑われるとした。桁全体が均一に浮き上がっていることから、残り10本も破断か抜け出していると推定した。
上関大橋は1969年に完成。県は17年度の目視点検で4段階ある健全度で2番目に良好な「予防保全段階」とした。超音波探傷試験は15年前からしておらず、その間に鋼材の腐食が進んだ恐れもある。
県は段差の原因や復旧対策について専門家の検討会議を設置。非公開の会合で15年前の鋼材の破断を説明したとするが、報道陣など会議の外部には説明してこなかった。同課は「今回は室津側で起きたことで隠していたわけではない。当時は橋も浮き上がらず、一連の補修工事で対応した」と説明している。(渡辺裕明)
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