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ツキノワグマ食害頻発 目撃件数も増加、作業シーズン控え農家ひやひや 広島県北部

2021/2/25 18:54
ツキノワグマに折られたリンゴの枝を確認する戸田代表(三次市布野町)

ツキノワグマに折られたリンゴの枝を確認する戸田代表(三次市布野町)

 三次市北部や庄原市高野町の果樹園で昨年、ツキノワグマの食害が頻発した。安芸高田市を含めた広島県北3市で同年4〜12月の間に寄せられたツキノワグマの目撃件数は計403件に上り、県に記録が残る2013年度以降でいずれも最多。農作業が本格化する春を前に、農業者は神経をとがらせている。

 20年4〜12月の目撃件数は三次市127件(19年同期比92件増)▽庄原市180件(同107件増)▽安芸高田市96件(同50件増)。3市のうちで唯一、合併前の旧市町村単位で集計する三次市では、作木町50件(同30件増)▽布野町32件(同27件増)▽君田町17件(同14件増)。市北部で目撃が集中した。

 布野町上布野の観光農園フルーツランドふのでは、昨年10月中旬から約1カ月の間ほぼ毎日、カキとリンゴの枝が折られ、実をもぎ取られる被害が相次いだ。戸田修司代表(67)によると、被害額は50万円に上ったという。山沿いなどクマの侵入経路をふさぐように電気柵や金網を新設し、花火の音で追い払おうとしたが、被害はやまなかった。

 昨季の営業は、例年より半月早い11月中旬で切り上げた。戸田代表は「電気柵の範囲を広げたいが費用と手間がかかる。昨シーズンの売り上げ減も痛手だ」と頭を悩ませる。また、隣町の作木町のナシ園でも昨年8月に食害があった。

 リンゴの産地として知られる庄原市高野町。高野町果樹園芸組合(18戸)では、枝が折られる被害が10戸以上に及んだ。同組合の長妻章司組合長(63)=同町下門田=は「農園を父から引き継いで10年近くになるが、枝を折られたのは初めて。5年ほど前から山あいの農園で被害があったが、幹線道路近くにも広がった」と説明する。

 高野町では昨年8、11月に高齢者がクマに襲われてけがをする被害が2件相次いだ。長妻組合長は「収穫期以外でも畑にいる時間は長い。クマと遭遇しないかという恐怖を感じながら作業をしている」と心境を明かす。(高橋穂)


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