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血痕残る「鏡の覆い」 被爆死17歳の刺しゅう、資料館で14年ぶり展示

2021/2/26 21:40
井東ユキさんの遺品の「鏡の覆い」を本人の遺影の下に展示する原爆資料館の学芸員(撮影・高橋洋史)

井東ユキさんの遺品の「鏡の覆い」を本人の遺影の下に展示する原爆資料館の学芸員(撮影・高橋洋史)

 入れ替えた資料を27日から公開する原爆資料館(広島市中区)本館には、17歳で被爆死した井東ユキさんの遺品である「鏡の覆い」も並ぶ。ユキさんが縫った愛くるしいスズメの柄が入る鮮やかな赤色の生地には、76年前の「あの日」の血痕の染みが残る。弟の茂夫さん(90)=東広島市=が「平和の一助になれば」と願い、2002年に寄贈した。

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 「姉は、やおい(やさしい)性格で、きょうだいげんかをしたこともありませんでした。必死になって刺しゅうする姿に感心したものです」。茂夫さんは帰宅後に覆い作りに打ち込んだ姉の姿をしみじみと語る。進徳高等女学校(現進徳女子高)の手芸の課題で1年掛かりで仕上げたという。

 ユキさんは1945年春に進徳高女を卒業。8月6日朝は吉島本町(現中区吉島西)の自宅にいた。爆心地の南西2・2キロの自宅は倒壊を免れたが、爆風で飛び散った鏡台の鏡の破片がユキさんの胸に突き刺さった。中庭に吹き飛ばされ、鏡に掛けていた覆いを胸に当てて血を流して息絶えているのを家族が見つけた。
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