地域ニュース
小森龍邦さん「社会党は集団自殺した」「9条守れ」【令和への伝言】(2019年12月20日掲載)
―部落解放運動を長らく指導し、衆院議員にも2回当選しました。今の世の中をどう見ますか。
国会議員に理念がない。誰も性根を入れて反対しなくなっている。それが(安倍晋三首相の)1強体制も許している。末法の世だ。
▽元死刑囚と対談
―どうしてそんなことになったのでしょう。
衆議院の小選挙区制導入が元凶だ。ずっと反対したが(当時所属した)社会党も賛成に回ってしまった。あの時、村山富市党委員長に聞いたのよ。「党は生き残れるのか」と。でも「生き残らなくてはならない」としか言わないんだから。党にビジョンがなく、集団自殺してしまった。
―それで離党して新社会党を結成したと。
そう。ただ、なにせ資金が全くない。無理をして無理をして候補者を立てたが、なかなかうまくいかなかった。小選挙区制は政党に縛られる。政権交代よりも大切な、多様な意見を反映できなくなったことが本当に残念だ。
―オウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚とも対談していますね。
(世間に注目され松本元死刑囚は)のぼせていると感じた。悟りを開いたら前世が見えるとか言う。それは幻覚症状じゃないかと言ったけどね。輪廻(りんね)転生とかそんな根拠のないもので人間の価値が決まるはずがない。議論はまるでかみ合わなかった。
▽護憲平和を貫く
―解放運動にささげた人生をどう振り返りますか。
自分の歩んだ道に悔いはない。ただ、反対はしたけれど、現実を変えることまではできていない。差別は今もある。10月に病死した長男(小森龍太郎元府中市議)宛てに差別語の書かれた郵便物が何通も届いた。闘い続けるしかない。
―県東部では教育関係者の自殺という痛ましい事件もありました。解放同盟は怖いという声もあります。
若い皆さんには主体性を持って世界を見てほしいと思う。事件にはさまざまな誤解もあり、権力側が解放同盟のせいにしたと思っている。怖いという声は、暴力的なものではなく「理詰めで詰められ言いようがなかった」ということではないか。「理詰めで逃げようがなく怖かった」という意味ではそうかもしれない。
―体調はいかがですか。
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)で目が開けにくくなった。5年ほど前に脳梗塞で左手と左足も不自由になり、週3回デイサービスに通っている。頭はしっかりしていて晩酌に三次産の赤ワインをコップに少しだけ飲んでいる。
―次代へメッセージを。
若者は実感が湧かないかもしれないがわれわれは戦争を体験した世代だ。護憲平和を貫くことが何より大切だと知っている。高齢になったが今も関係団体の年頭あいさつに「世の中を悪くしているのはトランプ大統領、プーチン大統領、習近平主席、安倍首相の4人」と書いたばかり。こんな時代だからこそ、憲法9条を守っていかなければならないと強く感じている。(聞き手は吉村時彦)
こもり・たつくに 府中市出身。部落解放同盟広島県連委員長、中央本部書記長を歴任し、1990年に衆院広島3区で社会党公認で初当選。2期務めた。政治改革法案に反対して所属会派を離脱し、除名に。新社会党を結成し、後に中央執行委員長。現在は部落解放同盟広島県連顧問。
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