地域ニュース

「かけがえのない学びがあった…」 定時制だけの広島・大手町商高、最後の卒業式

2021/3/1 21:11
最後の卒業式で卒業証書を受け取る卒業生(1日午後5時3分、中区の大手町商業高、撮影・田中慎二)

最後の卒業式で卒業証書を受け取る卒業生(1日午後5時3分、中区の大手町商業高、撮影・田中慎二)

 101年の歴史がある広島市立大手町商業高(中区)で1日、最後の卒業式と閉校式があった。全国的にも珍しいとされる定時制だけの商業高校で、これまで5千人を超える生徒を受け入れてきた。広島都市圏の定時制と通信制の公立計6校が統合した市立広島みらい創生高の開校に伴い、「大手商」の愛称で親しまれた学び舎は今月末で幕を閉じる。

 最後の卒業生は47人。体育館であった卒業式で、開英治校長が生徒一人一人に卒業証書を手渡した。続く閉校式では、生徒会長の竹吉航太朗さん(20)が代表して「かけがえのない学びがあった。大手商のプライドを持って頑張りたい」とあいさつ。最後に「商業の道拓(ひら)かんと」などと歌う校歌を流した。

 同校は1919年、広島市商業補修学校として開校した。市商業専修学校、市立第二商業学校などと改称を重ね、80年に現在の校名になった。多様な背景を抱える生徒を受け入れるため2013年、夜間部に加え昼間部を設置。広島みらい創生高が18年、同じ敷地に開校したため、今春の閉校が決まった。

 働きながら高校生活を送った生徒は多い。卒業生で広島仏壇の伝統工芸士、岩本修造さん(72)=廿日市市=は「眠気を我慢するため足をつねっていた。学校は楽しい思い出」と懐かしむ。前回の東京五輪は日中に競技を見られず、体育館に置かれたテレビでダイジェスト放送を見たという。

 学校敷地内では3月末までに、101年の歴史や校歌の歌詞を刻んだ記念碑が設置される予定。開校長は「学校がなくなるのは胸がつぶれる思いだが、長い歴史と伝統は広島みらい創生高に必ず引き継がれる」と力を込めた。(山崎雄一)


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧