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中国地方の避難者1397人 東日本大震災10年、8年連続減

2021/3/1 23:00

 東日本大震災や福島第1原発事故をきっかけに、中国地方へ生活拠点を移した避難者は今年2月現在、計1397人であることが復興庁の集計で分かった。震災発生から今月11日で10年。2013年(1982人)をピークに8年連続で減少したものの、近年の減少幅は小さくなっており、避難先での定住を選ぶ傾向が顕著になっている。

 同庁は、避難者の居住自治体への任意の届け出に基づき、都道府県別の避難者数を月1回まとめている。2月8日現在の中国5県別は、広島287人(前年同月比12人減)▽山口67人(9人減)▽岡山923人(20人減)▽島根52人(1人減)▽鳥取68人(8人減)。

 岡山県には今も西日本で最多の避難者が身を寄せている。県危機管理課は「原発立地地域から離れ、地震災害のないイメージが浸透しているためではないか」とみる。

 各年の2月のデータを比べると、5県への避難者数はピークだった13年から585人減った。ただ、ここ数年、減り幅も小さくなっている。今年は50人減と、16年以降で最少となった。広島県の減少数は11人減だった20年に次いで少なく、県危機管理課は「避難先で生活基盤ができ、定住が進んだ面もある」と分析する。

 避難者の居住実態の調査を続けている山口大人文学部の速水聖子教授(地域社会学)も「実家を頼って避難した人が親の介護をしたり、一緒に避難した子どもの進学、就職もあって定住を決めたケースは少なくない」と指摘。今後も定住を選ぶ人はさらに増える可能性があるとみる。

 一方、広島県内の避難者でつくる「ひろしま避難者の会アスチカ」は、住む場所を届け出ていない人も相当数いるとし、「今もさまざまな支援が届いていない避難者がいるかもしれない」と懸念する。(藤田龍治、小林可奈)

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