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別人かたって予約、無断キャンセル被害20件 飲食店の憤り
飲食店に電話予約し、当日来店しない「無断キャンセル」の被害が2月中旬以降、広島市内を中心に少なくとも20件相次いでいることが分かった。いずれも非通知で電話し、当日の連絡先として無関係の人の電話番号を伝える手口。新型コロナウイルス禍の中、苦境に立つ飲食店への悪質な行為とし、被害店舗の店主や弁護士は偽計業務妨害容疑で広島中央署に告訴する方針でいる。
和食店「はまゐ」(中区流川町)の店主、浜井健吉さん(41)によると、2月17日午後6時ごろ、「ナカハラ」と名乗る女性から「明日の午後6時、1人8千円のコースを4人で予約したい」と電話があった。電話番号が非通知だったため、浜井さんが連絡先を尋ねると、082の市外局番で始まる番号を伝えてきた。
浜井さんは翌18日、料理を準備し、来店を待ったが予約時間を過ぎても4人は姿を見せなかった。予約時に聞いた番号に電話すると全く関係のない女性が出たという。用意した料理は廃棄を余儀なくされた。
その翌日、浜井さんが再度電話した際、18日と同じ女性につながり「予約していない店から電話が次々あり、私も困っている」と言われた。
不審に思い、知り合いの飲食店に連絡すると、市内の複数店で17、18日にナカハラという女性から電話予約を受け、同様の被害に遭っていたことが判明。「ナンバ」と名乗るケースもあり、いずれもコース料理を複数人で予約し、連絡先として同じ番号を伝えていたという。
浜井さんは弁護士に相談し、偽計業務妨害容疑で告訴する準備を進めている。この弁護士によると、2月17日〜今月1日に市内全域で計19件、三原市で1件の被害を確認したという。
「はまゐ」が被害に遭ったのは、飲食店に営業時間の短縮を求めた広島県の新型コロナ集中対策期間中。当時、売り上げは前年同期比8割減だった。浜井さんは「コロナ禍でも来てくれるお客さんを精いっぱいもてなそうという店側の気持ちにつけ込む行為で、許せない」と語気を強める。
和食店「京はし なが尾」(南区京橋町)でも1人7800円のコース料理を4人分、無断キャンセルされた。店主の長尾知幸さん(38)は「どの店もこれから頑張っていこうという時で、あまりにも悪質」と憤る。弁護士によると、本来得られたはずの「逸失利益」が10万円を超える店もあり、「被害弁償の請求も検討したい」としている。(松本輝)
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