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廃虚ホテル1000円で取得、公園整備へ 島根県津和野町 閉鎖後20年超
2021/3/4 9:59
島根県津和野町は2021年度、津和野地区を通る国道9号沿いで、閉鎖から20年以上たったホテルの廃虚を解体し、新たに見晴らし公園を整備する。県西部有数の観光地の玄関口にあたり、江戸時代の風情が残る町並みを見渡せる場所。地元の観光協会や町民たちが景観を害しているとして撤去を求めており、解決に乗り出す。
廃虚は同町森村の旧「津和野グランドホテル」。1979年に、それまでボウリング場だった建物を改修して営業開始。2000年5月に経営不振のため閉鎖された。その後、活用策が決まらず放置され、廃虚の状態で落書きをされるなどの被害もでている。10年ほど前から、住民や観光事業者、観光客からも「美しくない」「観光地にそぐわない」と改善を求める声は上がっていた。
民間による対策が望めず、これ以上の放置はダメージが大きいとして、町が所有者と解決策を模索。ことし2月、土地約5千平方メートルと鉄骨2階建ての建物を、合わせて千円で譲り受けた。建物を撤去した後、江戸時代の風情の残る町並みを見渡せる立地を生かして公園の整備を決定した。
建物の撤去や公園の整備の総事業費は約1億5千万円で、21年度一般会計当初予算案に盛り込んだ。夏以降に撤去を始める見込みで、公園の完成は来年3月を目指す。
国道9号沿いでは、この旧ホテルのそばに、ドライブインだった建物も廃虚として残る。町商工観光課の藤山宏課長は「民間と協力するなどの道を探り、引き続き解決策を検討していきたい」としている。
町に撤去を要望していた津和野町観光協会の金子成一郎事務局長は「廃虚問題の解決への第一歩だ」と歓迎。見晴らし公園については「秋には雲海に包まれた町並みを楽しめるなど、誘客を期待できるのでは」としている。(松島岳人)
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