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トイレ届かず建設に遅れ 地場企業の住宅・工場、中国部品の供給寸断(2020年3月18日掲載)

2020/3/18 22:49
新工場のトイレになるスペースを見つめる西研の寺本社長

新工場のトイレになるスペースを見つめる西研の寺本社長

 トイレやキッチンの設備が中国地方の住宅や工場の建設現場に届かず、完成の遅れが相次いでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で、中国の部品工場の操業が滞ったためだ。元に戻る見通しは立たない。関係する企業は困惑し、問題の長期化を懸念している。

 住宅建築のウエカド(広島県海田町)は2月下旬から、トイレ設備メーカーの受注停止を受けて便器を調達できなくなった。現在手掛ける新築住宅5件の工期に影響が出始めた。キッチン設備の調達も不透明になり、水回りのリフォームの受け付けを止めている。上角善之社長は「予想もしない事態。早く終息してほしい」と願う。

 住宅リフォームのマエダハウジング(広島市中区)には2月中旬から便器などが届かなくなった。工事を始められない物件が20件近くに上る。施主と協議しショールームの展示品を使うケースもあった。リフォームの相談は堅調で「供給が再開して一斉に工事に入ると、次は職人不足も招きかねない」と心配する。

 西区に拠点を置く住宅メーカーは、複数の新築物件で3月末の引き渡しができない恐れが出てきた。2月末から電磁誘導加熱(IH)クッキングヒーターや便器、ユニットバスの調達が遅れたり止まったりしている。取り付ける寸前まで他の部分を先に仕上げ「待ちの状態」という。4月以降に引き渡す住宅にも影響が出ないか気をもむ。

 トイレやキッチン設備のメーカー各社は、原因を「中国の工場からの部品調達が遅れている」と説明する。新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーン(部品の調達・供給網)が寸断された形だ。パナソニックは2月から納品が遅れ、現在はトイレやシステムキッチン、食洗機の受注を止めている。TOTOも納品が遅れる商品が徐々に増えているという。

 影響は住宅関連にとどまらない。切削工具製造の西研(広島市西区)は昨年10月に着工した新工場の完成が3月末の予定から、4月中旬にずれ込む見通しになった。トイレの周辺機器が手に入らないためだ。新工場は本社工場に次ぐ拠点として大きな期待がある。寺本博社長は「新型コロナウイルスで景気が悪くなる中、新工場で業績を上向かせたかった。思惑が外れるかもしれない」とこぼした。(筒井晴信、口元惇矢) 

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