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デジタル技術でイノシシ害防げ 尾道で実験進む

2021/3/7 22:55
トレイルカメラの設置場所を探すDMMアグリイノベーションの担当者たち

トレイルカメラの設置場所を探すDMMアグリイノベーションの担当者たち

 芝生や植樹を荒らすイノシシの生態をデジタル技術で分析する実験が、尾道市の県立びんご運動公園で進んでいる。広島県の事業に応募した2グループがそれぞれ、小型無人機ドローンや人工知能(AI)を活用。被害軽減策につながる優れた提案をモデル化し、他の県立公園にも広げる。

 敷地面積がマツダスタジアム37個分(約87ヘクタール)の同運動公園はイノシシの行動が把握しきれず、侵入防止策も取りにくい。県は2020年度、新技術を使った情報収集や分析、可視化などのアイデアを募集。13件が寄せられ、うち2件を試している。

 鳥獣被害対策事業に取り組むDMMアグリイノベーション(東京)が代表のグループは、ドローンに加え、物体の動きを検知して自動で記録するトレイルカメラを用いる。餌になるクリやドングリの木の分布やイノシシの夜間の行動を把握し、現地調査も踏まえて活動範囲を特定。効率的に侵入防止柵などを設けた。

 広島大(東広島市)が代表のグループも、植生と地形データ、出没情報をドローンやトレイルカメラを駆使して収集。地理情報システム(GIS)を使って地図上に表示するほか、出没が多い場所の要因や優先して対策すべき場所をAIの分析によって提案する。

 実験は、デジタル技術で社会課題の解決などを図る県の事業「ひろしまサンドボックス」の一環。事業費は計約500万円で、3月中旬まで続ける。より成果が見込める1案を選び、21年度以降は検証と改善に取り組む。

 県都市環境整備課によると、同運動公園の19年度のイノシシ被害額は約2千万円。広範囲で芝生が剥がされ、地面もでこぼこだ。周辺環境が近い県立みよし公園(三次市)、せら県民公園(世羅町)でも被害が相次いでおり、将来は対策を共有する。同課は「取り組みを通じ、美しく使いやすい公園を維持したい」としている。(神田真臣)

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  • ドローンを飛ばす広島大グループの担当者

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