地域ニュース

育った光産マツ、復興象徴 「奇跡の一本松」の陸前高田、再生支援の50本

2021/3/7 22:55
高田松原で順調に育つ光市生まれのクロマツ(光市提供)

高田松原で順調に育つ光市生まれのクロマツ(光市提供)

 「奇跡の一本松」で知られる岩手県陸前高田市の国名勝・高田松原で、光市生まれのクロマツがすくすくと育っている。東日本大震災の津波で壊滅的な打撃を受けたが、松林再生支援のため4年前に植樹された50本。同じ木の種から大きくなった50本も光市の虹ケ浜海岸に植えられ、人間の背丈を超えるほどに伸びた。震災から10年。競うように育つ「きょうだい松」は、復興の象徴となっている。

 高田松原は、津波で7万本あった松のほとんどが流され、「奇跡の一本松」のみが残った。松林再生を願い、「日本の森・滝・渚(なぎさ)全国協議会」(66自治体)が動きだした。協議会会長でもある光市の市川熙市長(73)の提案だ。

 松林が広がる光市と、千葉県鴨川市、横芝光町、宮城県蔵王町の4市町が14年から順次、支援に名乗りを上げ、苗木200本を準備。光市では、市林業研究会が虹ケ浜、室積海岸の松から採取した種から育てた苗木50本を17年、高田松原の海岸に植えた。

 岩手県や陸前高田市による3万本の植樹もあり、今や4万本近くにまで回復。地元NPO法人「高田松原を守る会」が世話をしている。元通りになるには、50年もかかると言われるが、鈴木善久理事長(76)は「光市など全国の支援には感謝している。350年ほど前にこの地に松を植えた先人の思いに立ち戻りたい」と強調した。

 光市も18年、虹ケ浜海岸に「東日本大震災復興祈念の森」を整備。高田松原に植えたクロマツと同じ種からの50本を市林業研究会が世話する。新型コロナウイルス感染予防のため、双方の行き来は当面できないが、高村和典副会長(79)は「光に植えた松を高田松原の松と思って育てている。将来的には現地に行き、再生する松原をこの目で確かめたい。守る会と情報交換もできれば」と話していた。(山本真帆) 

【関連記事】

中国地方の避難者1397人 東日本大震災10年、8年連続減

同じ境遇、避難者を法で支援 弁護士石森雄一郎さん【東日本大震災 中国地方の10年】<1>

支援調整の仕組み広げたい 広島県社会福祉協議会 吉野篤史さん【東日本大震災 中国地方の10年】<2>

被災地巡り創作、記憶を継承 紙芝居作家 いくまさ鉄平さん【東日本大震災 中国地方の10年】<3>

障害者の避難、理解を訴える NPO法人「エルマーの会」代表 佐原いづみさん【東日本大震災 中国地方の10年】<4>


この記事の写真

  • 「東日本大震災復興祈念の森」で、クロマツの手入れをする高村さん(手前右)たち光市林業研究会のメンバー(撮影・山下悟史)

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧