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モーモー物産館が閉鎖 庄原市口和、指定管理者が経営破綻
庄原市の観光施設モーモー物産館(口和町大月)の指定管理者「くちわ」(同)が、広島地裁三次支部に自己破産を申請したことが9日分かった。新型コロナウイルス禍による経営悪化で事業継続が難しいと判断した。施設は2月末で営業を停止している。
くちわは、3月10日にも市口和支所に指定管理の辞退届を出す予定。自己破産申請は5日付。近く手続きに入る。三吉龍次社長によると負債総額3200万円。104の債権者がいる。
旧口和町が整備した施設は合併後の2005年4月にオープンした。くちわは運営を目的に旧町民が出資し設立した有限会社で、資本金855万円。2月、コロナ禍の収束と経営の回復が見通せない中で今後の対応を協議。同月下旬の役員会で自己破産の申請を決めた。指定管理期間は23年3月までで約2年を残していた。
施設は木造平屋の建物に地元野菜の産直市場、アイスクリーム販売コーナー、そばを提供する飲食店、トイレ、駐車場を備える。中国やまなみ街道の口和インターチェンジ(IC)に近く、街道が全線開通した15年度の売り上げはピークの4900万円に上った。
近年は「開通効果」が一服し売り上げが頭打ちとなり、17年度からは赤字が続いていた。さらにコロナ禍が直撃した。書き入れ時の昨年5月の大型連休、お盆の休業が響き、20年度の売り上げは今年1月までの10カ月で約2800万円にまで落ち込んだ。18年度からは役員や金融機関からの借り入れでしのいできたが、累積赤字は2380万円に上る。
施設は2月末で閉鎖し、従業員とパート計11人は解雇した。三吉社長は「経営の甘さもあったが、コロナ禍で立て直しが難しい。町民が支える形でできた施設なので残念で申し訳ない」と話す。
市は、今後の施設の扱いは未定としている。口和支所の石田泰清支所長は「ドライバーや住民が不便にならないよう、トイレと駐車場は引き続き利用できるようにしたい」と話す。
同町では1月、宿泊施設「鮎の里公園」の指定管理者がコロナ禍による経営悪化を理由に年度内の解散を決めている。(小島正和)
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