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「新交通」橋げた落下事故 62トン、車11台つぶす(1991年3月15日掲載)

2021/3/13 15:33

 14日午後2時5分ごろ、広島市安佐南区上安2丁目の新交通システム建設工事現場で、橋脚の上に据え付け中だった軌道を支える鉄骨製橋げた(長さ63・5メートル、幅1・7メートル、重さ62トン)が、約10メートル下の県道に落下した。県道で信号待ちしていた乗用車など11台が下敷きになって押しつぶされ、運転者や同乗者ら23人が広島市内の9病院に収容された。広島県警は工事作業員5人を含む14人の死亡と、9人の重軽傷者を確認した。同県警は業務上過失致死傷の疑いで捜査を始めた。3年後に開かれる広島アジア競技大会の主要会場と市中心部を結ぶ輸送機関となる新交通システム建設工事では初の重大事故で、発注者の広島市は同日、事故対策本部を設置した。

 広島県警や広島市建設局のこれまでの調べでは、事故は橋げたを橋脚の沓座(しゅうざ)に据え付ける作業中に起きた。作業は橋げたと橋脚の間に鉄製ブロックで組んだ井げたとジャッキをかませ、ジャッキで高さを調節しながらけたを下ろし、橋脚に据え付ける途中だった。橋げたは、数日前に橋脚の北端につり上げ、南端に移動させてあった。

 現場では、落ちた鉄骨の下で乗用車やワゴン車がぺちゃんこにつぶれ、ガソリンが漏れて2、3台が燃えるなど、死者や負傷者の救出作業は難航した。救急車や消防車など19台と大型クレーン車4台、広島県警機動隊員ら約300人が出動して救出作業などに当たり、次々と負傷者を病院に搬送した。

 近くの人の話では、橋げたは半回転して車の列の上に落ちた、という。路上に一列に並んだ状態で押しつぶされた車は、高さ約50センチにまでなったり、車体の半分がそぎ取られたりし、衝撃のすさまじさを物語っていた。現場一帯には車の油や鮮血が飛び散り、救急車やパトカーのサイレンが交錯し、近所の人たちが青ざめた表情で取り巻いていた。

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