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割高イメージ払拭が鍵 「はまだお魚市場」で21日再スタート

2021/3/15 21:10
浜田漁港近くの「はまだお魚市場」。左側の平屋が21日にオープンする仲買棟

浜田漁港近くの「はまだお魚市場」。左側の平屋が21日にオープンする仲買棟

 浜田市原井町の浜田漁港近くの水産品販売施設「しまねお魚センター」を改修し、市が整備した「はまだお魚市場」が21日に一部オープンする。地元で水揚げされた魚介類や加工品を買ったり、味わったりできる水産都市・浜田の拠点施設になると期待される。お魚センターは「魚の価格が高い」とのイメージが広がり、客足が遠のいた。このマイナスイメージの払拭(ふっしょく)が成功の鍵となる。

 日本海から約150メートルと近く、潮の香りが漂う「お魚市場」。オープンする仲買棟には、近くの市公設水産物仲買売場が移転し、12店は小売りにも対応する。水槽や商品の陳列台を並べる作業が急ピッチで進む。

 仲買棟ではアジ、サバ、ノドグロ、ブリ、タイ、ケンサキイカ、アコウなどを扱う。「客に喜んでもらえる価格で提供したい」。出店する植野信幸社長(68)は意気込む。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、テークアウト用に調理した鮮魚丼も並べる計画だ。

 ▽家賃割安に設定

 市は、お魚市場のコンセプトの一つに「新鮮な魚介類を安く購入できる施設」を挙げる。前身のお魚センターの反省があるからだ。島根県立大と2012年に実施した利用者アンケートで、価格が「非常に高い」「高い」を合わせて4割を占めた。植野社長も言う。「よそで買うより、2、3割高かったんじゃないかな。だから敬遠された」

 お魚センターは第三セクターの運営で1993年度に開業。来客数は、しまね海洋館アクアス(浜田、江津市)が開業した2000年度の31万人をピークに減少傾向で、18年度は10万人にまで減った。経営不振で19年5月に閉店した。

 割高な価格には構造的な問題があった。出店者には、運営会社に対して家賃のほか、売り上げによって変動する5%の売上手数料を毎月支払う義務が課せられた。この経費が販売価格に転嫁された。

 これを受け、市はお魚市場の家賃を条例で割安に定めた。移転前の市公設水産物仲買売場の家賃は1区画(20平方メートル)月3万3千円だったのに対し、「お魚市場」は1区画(60平方メートル)月6万6千円で、面積当たりの額を抑えた。売上手数料もとらないと決めた。

 市水産振興課の戸津川美二副参事は「魚は買い求めやすい価格になるだろう」と期待する。「お魚市場」への出店者を含む仲買人でつくる浜田魚商協同組合の石井信孝事務局長も「高かったというイメージを吹き飛ばせる価格で販売できる」と自信を見せる。

 ▽PR戦略が必要

 市は、浜田漁港周辺エリア活性化計画(20〜25年度)で、お魚市場の来客数の目標を「25年度に15万人」とした。コロナ禍の逆風を受ける中、商業棟も今夏のオープンを予定する。

 施設の場所は変わらず、外観もほぼ同じで、愛称もよく似ている。前身のお魚センターは「特に若い家族連れが減ったよう」(市水産振興課)で、苦境に陥った。市や指定管理者には、負のイメージを打ち消すPR戦略が求められ、来客者の満足度アンケートなど継続的な調査も欠かせない。(梨本晶夫) 

 <クリック>はまだお魚市場 鉄骨2階建ての商業棟と木造平屋の仲買棟の延べ約2400平方メートル。駐車場などを含む敷地面積は約9200平方メートル。市が「しまねお魚センター」の土地建物を買い取り、改装・増築した。総事業費は約7億円。仲買棟の営業時間は午前8時〜午後3時。土曜休館(一部は営業)。商業棟にはフードコートや地元産品の販売所、どぶろくの製造・販売所を設ける。指定管理者は第一ビルサービス(広島市中区)。


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