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黒板アート、卒業式の新定番に 在校生がエール

2021/3/17 20:45
学生服の後ろ姿を手でそっと押す様子を描いた黒板アート(沼田高提供)

学生服の後ろ姿を手でそっと押す様子を描いた黒板アート(沼田高提供)

 学校の教室の黒板に色鮮やかな絵を描く「黒板アート」で、在校生たちが卒業生にエールを送る動きが広島市内などで広がっている。新型コロナウイルス禍の中、作品発表の機会が減った美術部員たちがサプライズで手掛けるケースもある。慣れ親しんだ教室の備品が、卒業生にとっての忘れられない思い出づくりに一役買っている。

 【写真集】卒業式の黒板アート


 今月1日、広島市安佐南区の沼田高。3年生9クラスの各教室の黒板は、縦1・7メートル、横3・5メートルの巨大な「キャンバス」に変わった。学生服の後ろ姿を手でそっと押す様子や、担任教諭の笑顔、桜…。普段の授業で見慣れた白や赤、黄色に加え、ピンクや紫、蛍光色などのチョークも使った繊細なアートが式典後の卒業生を迎えた。

 生徒会を中心に発案した初めての試み。役員をはじめ、式に参加しない1、2年生の美術部員たちが卒業生に気付かれないように前日までに手掛けた。美術部長の2年小笹真凜さん(17)は「コロナで文化祭などがなくなり、作品を発表する機会は減った。写真映えするデザインを考えた」。会員制交流サイト(SNS)に投稿する卒業生もいたという。

 黒板アートは2015年、ある女子高校生がツイッターに投稿したことが話題となり全国の学校に広がったとされる。今年は基町高(中区)や国泰寺高(同)、海田高(広島県海田町)などでも下級生が卒業生の教室の黒板を彩り、門出を祝った。

 「消すのも心が痛む出来栄えだった」。制作に携わった沼田高1年の因梓沙さん(16)は振り返る。いずれは消されるはかなさも、黒板アートの魅力という。生徒の企画を後押しした美術担当の谷原弘樹教諭(63)は「予想以上の完成度と卒業生の反応に驚いた。黒板の既成概念を壊してくれた」と目を細める。(山崎雄一) 


この記事の写真

  • 担任教諭の顔などを描いた黒板アート(沼田高提供)

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