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伊方原発3号機運転容認、住民側が最高裁への抗告断念の方針

2021/3/20 13:26

愛媛県の瀬戸内海側の佐田岬半島に立つ伊方原発。右側が3号機

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止め仮処分を巡り、申し立てた住民側が、広島高裁決定を取り消して運転を認めた18日の同高裁異議審決定について、最高裁への抗告を断念する方針を固めたことが20日、分かった。最高裁で退けられた場合、全国の同種裁判に与える影響を考慮したとみられる。異議審決定が確定する見通しで、四国電は10月末の再稼働に向けた準備を急ぐ構えだ。

 弁護団はこの日、関係者とウェブ会議を開き、今後の対応を検討。関係者によると、抗告しない方針を確認したという。

 脱原発弁護団全国連絡会(東京)によると、全国で原発の運転可否を巡る高裁レベルの判決や決定は今回を含めて12件あり、いずれも運転差し止めなどを求める住民側の訴えが退けられている。これまでに最高裁の判断を仰いだケースはない。

 異議審決定は、四国電が実施した海上音波探査の結果、「原発敷地2キロ以内に活断層はない」とした評価や基準地震動の決定に不合理な点はないと指摘。原発から約130キロ離れた阿蘇山(熊本県)の噴火リスクも「専門家の間で意見が分かれている現状では、可能性が具体的に高いとは認められない」とした。

 また、原子炉の安全性に関する自然災害リスクについて「裁判所に独自の科学的知見はなく、具体的な危険を住民側が立証しなければ運転差し止めを命じる法的判断はできない」とも表明した。

 仮処分は原発から50キロ圏内に住む山口県東部の住民3人が2017年3月、山口地裁岩国支部に申し立てた。同支部は19年3月に却下。住民側の申し立てによる即時抗告審で広島高裁は20年1月に運転を認めない決定を出した。これを不服とし四国電が同高裁に異議を申し立てていた。

 3号機は19年12月に定期検査に入り運転を停止。四国電は現在、並行して原子力規制委員会が新規制基準で義務付けたテロ対策施設の設置を進めており、今年10月末の再稼働、11月末の営業運転再開を見込んでいる。


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