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商業・住宅地とも下落 中国地方公示地価、土地需要しぼむ

2021/3/23 23:25

 国土交通省が23日に発表した公示地価(1月1日現在)で、中国地方5県の平均変動率は商業地がマイナス0・7%で4年ぶりに、住宅地がマイナス0・4%で3年ぶりに、それぞれ下落に転じた。新型コロナウイルスの流行を受けて、商業地を中心に土地を買い求める動きがしぼんだ影響が表れた。

 商業地の平均変動率は5県全てでマイナスだった。広島は前年を4・8ポイント下回るマイナス0・9%。前年はプラスだった岡山がマイナス0・2%となった。山口はマイナス0・4%、島根はマイナス1・3%、鳥取はマイナス1・6%だった。

 昨年と比べられる5県の計435地点のうち、半数超の計235地点で下落。内訳は広島87地点、山口48地点、岡山40地点、島根30地点、鳥取30地点だった。

 1平方メートル当たりの最高価格は12年連続で広島市中心部の「中区八丁堀15―8」の344万円だったが、マイナス3・1%と9年ぶりに下落した。近くの「中区胡町3―12」は前年比23・6ポイント減のマイナス12・0%で、広島県内で下落率が最大の地点となった。繁華街で飲食店を中心に閉店が相次ぎ、店舗賃料が下がるなどした影響とみられる。

 コロナ禍で観光地も苦戦した。世界遺産の厳島神社に近い「廿日市市宮島町字中之町520―1」はマイナス5・1%。萩城下町そばで飲食店などが並ぶ「萩市大字土原字土原15外」はマイナス2・0%だった。

 住宅地の平均変動率も5県全てでマイナスだった。広島はマイナス0・4%と前年を1・7ポイント下回った。山口はマイナス0・1%、岡山はマイナス0・6%、島根はマイナス0・7%、鳥取はマイナス0・8%だった。

 昨年と比較できる計1082地点のうち、下落地点が半数の547地点を占めた。最多は広島の216地点で、このうち福山市が67地点と3割を占めている。他の4県は岡山146地点、山口73地点、鳥取58地点、島根54地点だった。

 最高価格は広島市の平和大通り沿いの「中区中町9―5」の146万円。5年連続トップだが、変動率はマイナス1・4%で、2017年に調査対象となってから初めて下落した。上昇率でトップは「安佐北区亀山1―14―25」のプラス4・1%。JRあき亀山駅に近く、来年春に安佐市民病院の移転開業を控え、人気が高まったとみられる。

 広島県の調査で代表幹事を務めた仁王頭(におうず)毅(たけし)不動産鑑定士(61)は「三大都市圏と比べれば緩やかだが、中国地方も都市部を中心に新型コロナの影響が顕著だった」と見立てた。昨年後半は景気が持ち直す機運がみられたとして「新型コロナの状況次第だが、今後は徐々に回復していくと期待できる」と分析している。(城戸良彰) 


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