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疫学調査に協力を 広島市、変異株増受け

2021/3/24 22:25

 広島市で新型コロナウイルスの変異株の感染者が増える中、市が濃厚接触者や感染経路を追跡する積極的疫学調査への協力を促す呼び掛けを強めている。変異株は感染力が強いとされ、感染の抑え込みには接触者の速やかな特定や検査が必要とみているが、十分な協力が得られない事例が出ているためだ。「周囲の人の命を守るためにも、ぜひ協力してほしい」と訴えている。

【グラフ】広島県の新型コロナウイルス感染者数と医療提供状況
 市内では24日現在、変異株に計22人が感染し、うち15人は英国型と判明している。広島県内の全23市町のうち、変異株が確認されたのは広島市だけ。市の阪谷幸春保健医療担当局長は「感染を抑えるためには迅速な対応が欠かせない。積極的疫学調査への協力をお願いしたい」と強調する。

 市によると調査では、発症14日前から誰とどこで何をしたかなどを聞き取る。今年、PCR検査で陽性となったある経営者は、会社名を明かさなかった。「勤務中は社長室を出ておらず、誰にも会っていない」「感染後は自宅以外で過ごした」と主張し、従業員や家族を検査できなかった。

 感染者の調査で浮上した濃厚接触者が、保健師からの電話に全く応答しなかったり、途中から出なくなったりするケースもある。結果としてPCR検査を受けてもらえず、2週間の外出自粛の要請も聞き入れられない状態になるという。

 調査の実効性を確保するため、政府は2月13日、改正感染症法を施行した。積極的疫学調査について、正当な理由なく質問に答えなかったり、うその説明をしたりした場合に30万円以下の過料を科す規定を新たに設けた。

 市の新型コロナの対策本部の調査班で保健師をまとめる楢崎尚子さんは「罰則で抑えるだけでは人の心は動かせない。会社の立場や世間の目などを気にし、不安を感じている感染者の気持ちをくみ取りながら、調査したい」と語る。

 対策本部の平本恵子医務監は「調査で濃厚接触者を把握し、外出を自粛してもらえば、新たな感染者の発生が防げる」と説明する。昨年12月から今年1月の「第3波」では保健師たちが1日30人態勢で調査を担った。対象者の協力が素早い対応につながると説く。(余村泰樹) 

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