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芸予地震20年、備え今も 広島湾周辺に活断層集中

2021/3/24 22:53

 広島県を中心に大きな被害をもたらした芸予地震は24日、発生から20年となった。中国地方ではその後も島根県西部などを震源に地震が相次ぐ。広島湾周辺には活断層が集中し、南海トラフ巨大地震も予想される。各県は公共施設の耐震化などの備えを進めているが引き続き警戒が必要だ。

 広島県の想定では、被害が最も大きいのは南海トラフ巨大地震。福山市や三原市で最大震度6強、広島市や呉市で同6弱となる恐れがあり、その場合、死者約1万5千人、建物の全半壊は計約27万棟に及ぶとの見方がある。

 被害の主因は津波だ。沿岸部では地震から3時間半を過ぎたころから最大波が到達する。津波の高さは最高で江田島市1・9メートル▽呉市1・6メートル▽広島市1・5メートル―と見込まれている。

 このほか、安芸灘から伊予灘、豊後水道にかけてのプレート内で地震が起きた場合は死者が最大で約1万1200人、広島湾周辺の広島湾―岩国沖断層帯での地震では死者約3500人など大きな被害が出る恐れがある。

 政府の地震調査委員会が1月に公表した今後30年以内の大地震の発生確率は、南海トラフ70〜80%▽安芸灘―伊予灘―豊後水道のプレート内地震40%程度▽安芸灘断層帯0・1〜10%―など。

 地震への備えは一定に進む。広島県によると、公民館や学校体育館など災害時の拠点となる公共施設の耐震化率は88・2%(2018年度末時点)。県が指定する「津波災害警戒区域」に含まれる全17市町が津波ハザードマップの作製を済ませた。中国地方の他県でも公共施設の耐震化が進み、山口県沿岸のコンビナートでは、南海トラフへの対策計画も策定している。

 しかし油断は禁物だ。広島県危機管理課の佐藤伸樹課長は「地震は、いつどこで起きるか分からない。避難場所や避難経路を確認し、災害に備えた備蓄などを進めてほしい」と呼び掛ける。(石井雄一)

 <クリック>芸予地震 2001年3月24日午後3時27分ごろ、広島県蒲刈町(現呉市)沖の安芸灘を震源に発生。震源の深さ46キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)6・7。広島県河内町(現東広島市)や熊野町などで震度6弱、広島市や呉市、三原市などで同5強を観測した。内閣府によると、中国・四国地方で2人死亡、288人が負傷。住宅全壊70棟、半壊や一部損壊は計約5万棟、停電や断水は、それぞれ4万世帯を超えた。


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