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【詳報・克行被告第48回公判】弁護側被告人質問<1>次の選挙という矮小化した考えじゃない

2021/3/25 1:24

 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(58)=衆院広島3区=の第48回公判が24日、東京地裁であり、弁護側による被告人質問を続けた。克行被告は自民党広島県連内での自身の立場について「疎外感があった」などと説明した。詳報は以下の通り。

弁護人 今日は政治活動と選挙との関係、後援会のことを聞く。政治家にとって選挙はどういったものか。

被告 はい。政治家にとって選挙は極めて重要な行為ですね。議員バッジがなくても政治家としての仕事ができないことはない。議会に席をちょうだいする。そこで関係団体や支持者、後援会の意見を反映して、役所や団体に発信する。それぞれの各級議会で議席を占めていることが極めて重要な現実だ。

弁護人 各級議会とは市議会、県議会、国会のことか。

被告 はい、その通りです。

弁護人 自分の政策を実現するには選挙で議席を取ることが必要か。

被告 その通りです。

弁護人 政治活動と選挙は切り離せないか。

被告 はい。日本のように代議制民主主義を採用している国家では、国民、有権者の意見を代弁するのが議員。政治活動は次の選挙のことだけを考えて仕事をしているわけではない。前回の総選挙で一票を投じた人への期待、要望、気持ちを常に意識している。次の選挙という矮小(わいしょう)化した考えじゃない。神聖な負託にしっかりと応えないといけない。使命感、義務感を持って一人一人の国会議員が仕事をしている。政治活動と選挙にまつわる運動は切り離せない。コインの裏と表です。民意、国民、有権者の意見、要望に耳を傾けて仕事をしている。いい意味での緊張感を持って、仕事が負託に応えられているのか。緊張感を強烈に感じている。

衆院はいつ解散されるか分からない。急に解散総選挙となることは少なくない。国民の皆さんの要望に応えられているかという緊張感に支えられて仕事をしてきた。

弁護人 国会での活動、公の集会の場面で緊張感を持っていると思う。その他の場面、日々の生活でも感じるか。

被告 妻がスーパーマーケットに買い物に行くのも選挙運動と言った。言い得て妙だと思った。政治家は常に一挙手一投足まで有権者に見られている。初当選して約30年間感じてきた。例を挙げると、私が広島県議選に立候補を表明したのは平成2年の5月か6月ごろ。自民党の大ベテランから、引退するので自分の気持ちを継いでほしいと推薦をいただいた。中古の車の助手席に乗ってもらって、私が運転して支持者のあいさつ回りをした。安佐南区の離合の難しい道路の狭いところで、向こうから車が来た。私は止まり、向こうの車が先にかわして離合して出発するまで待っていました。その直後、先生はのどを痛めていたが、か細いが大きな声で私を怒鳴りつけた。「今のような態度じゃだめだ。頭を下げろ」と。私は少し会釈した感じでしたが「深々と頭を下げなければだめだろう」と注意いただいた。

私は移動に公共交通機関を使うが、誰が見ているか分からない。見た人が有権者に私の振る舞いを言うかもしれない。私は態度、所作が丁寧な方ではない。24時間、365日、政治家は休息や自由な時間はない。一挙手一投足を見られていることを片時も忘れたことはない。

弁護人 被告人は日ごろ、どういう政治活動をしていたか。簡潔に説明してほしい。

被告 国会議員として、国政がどういう状況であるか、自民党がどんな政策を掲げて実現しようとしているか、私の役割を報告する国政報告会を重視していた。地元に帰る機会を捉えて、衆院広島3区内での開催を秘書を通じて三矢会の支部に要望してきた。国政報告会を開くには後援会がしっかり機能していないといけない。後援会が存在していないと開けない。私が1人で集会所に行っても、誰もいなかったら成立しない。近所の方、知り合いを誘って声を掛けていただく。日常生活を送る中で時間を割いていただいて足を運んでもらう。1人ではできない。そのために政治家はみなさまの力を与えてもらう。日ごろから後援会の活動を拡大していかないといけない。

それと私は広報宣伝活動を重視していた。街頭演説をしていました。朝立ちでは橋の上やバス停でスピーカーを持って街頭演説をしていました。もう一つの柱は第3選挙区支部が発行していた「月刊河井克行」です。名前の通り月刊です。毎号10ページ以上ありました。地元と東京での活動、海外出張の報告を配布していただく。手弁当で配布していただく方が選挙区内に数多くいました。

弁護人 今のところで区切る。「月刊河井克行」は昨日、証拠として取り調べていただいた。こういったものは後援会の方々を中心に配っていたのか。

被告 郵送だと郵送料がかかる。各号によってばらつきはあるが、最低でも5万部、多いときは10万部を印刷して配っていただいた。安佐南区は(元)秘書の提案で広報委員の制度をつくり、住宅地では散歩のついでにポスティングしてもらった。多い人は700〜800世帯分を配った人もいる。町内会で十数軒の方もいる。北部は中山間地域のため家と家が離れている。自民党の党員、支部、地方議員の先生方のネットワークを使って配布しました。

弁護人 後援会の方だけでなく広く配布したか。

被告 幅広く、さまざまな考えを持った方にお配りいただいた。河井克行の活動、政策への理解を広げてやろう配っていただいたと思います。 
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