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雨降れば緊張…海抜0・2メートル、頼みの排水ポンプ「動かすのはわしら」 福山市東川口町

2021/3/27 23:26
ポンプ場の操作手順を確かめる内田さん(右)と延明さん

ポンプ場の操作手順を確かめる内田さん(右)と延明さん

 地域の命を守る存在として福山市東川口町の北端にあるのが一ツ樋(ひとつひ)ポンプ場だ。「ここがないと川口一帯が沈んでしまう」と福山市土地改良区川口工区理事の内田周二さん(68)がポンプ場の重要性を教えてくれた。

 同地区の海抜は0・2メートルほど。洪水が起きれば最大5メートル近い浸水が予想されている。さらに地区を流れる汐廻(しおまわ)し川は上流から下流まで高低差がない。ポンプによる排水が頼みの綱なのだ。

 大雨が降れば、内田さんをはじめ近くに住む総勢24人がポンプを操作する。24時間365日、いつ呼び出しがあってもペアを組む延明(えんみょう)一夫さん(71)と駆け付けなければならない。父親も同じ役割を担っていたという内田さんは「たとえ夜だろうが、雨がやむまで帰らん。誰かがやらなければ川口を守れないけえ」と強調する。

 2018年の西日本豪雨でも延明さんたちとポンプ場へ走り、稼働させた。雨がたたきつける中、排水溝にごみが詰まっていないかを確認し、予備のポンプも手動で動かし続けた。「10時間以上寝ずの番をした」と振り返る。この時、市内の雨量は2日間で400ミリ近く。被害は数件の床下浸水に食い止めたという。

 平時の備えも欠かさない。3カ月に1度は訓練する。それでも雨が降れば緊張する。「わしらが動かなければ、みんなが大変な思いをする。その責任はいつも意識せにゃあ」。2人はポンプ場を背に語った。(猪股修平)


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