地域ニュース
【詳報・克行被告第50回公判】弁護側被告人質問<1>鈴木宗男先生は私にとっても妻にとっても恩義ある方
2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(58)=衆院広島3区=の第50回公判が29日に東京地裁であり、被告人質問を続けた。克行被告は、亀井静香元金融担当相の元秘書ら4人への買収目的を認めた一方、元陣営スタッフら4人については否定した。主なやりとりは次の通り。
弁護人 元石川県議の関係で確認します。元石川県議は、電話作戦と案里さんのはがきの取りまとめに加わったか。
被告 はい。
弁護人 大変厳しいという言葉が供述であった。
被告 はい。だんだん選挙が近づき、他のスタッフの負担も高まっていた。電話作戦を担っていただきたいと。元石川県議とやりとりして、大変激しいとか厳しいとか、それは選挙の決まり文句。公示前は使うし、自民党本部からも助言や提案が送られてくる。電話作戦で危機感や悲壮感を持ち、全力でやってもらう趣旨の指導として、そのまま伝えた。
弁護人 被告も危機感を持って厳しい戦いであると。
被告 選挙は水もの。壊れ物を扱うような物。慎重に慎重を期すのは常識。報道などの世論調査では、案里さんは予想以上に支持率が高かった。こちらは最初から折り込んでいたが。極端にしんどいという感情はなかった。「厳しい戦い」と言うのは、選挙活動のイロハのイだ。
弁護人 供述によると、投票日の電話での呼びかけで、案里さんに入れるように投票に行くように、とした。事実か。
被告 彼の認識は間違っていると思った。まったく呼び掛けていない。なぜなら投票当日だから。後援会ですと伝えて、投票確認をしただけ。投票確認はごく一般に行われている。では3区だけなぜ行ったのか。この日早朝から豪雨が降っていた。大雨警報が出ていた。調べてもらえれば分かる。その思いも加わって後援会事務所が確認を取った。
弁護人 7月3日に10万円を手渡し、7月31日に38万3490円を振り込み、8月1日に10万円を振り込んだ。これは事実か。
被告 はい。
弁護人 報酬額は誰が決めたのか。
被告 経緯の印象は残っていない。分析すると、公示近くでバタバタしていた。忙しかったというのが一つ。
(愛知県稲沢市議の)野々部(尚昭)さんが元石川県議を連れてきたため、待遇交渉はお任せしていた。50万円にしようというのは、野々部さんから私に提案があった。異存ないと答えたのではないかと。はっきり記憶していない。
弁護人 決めていないとは言わないということか。
被告 私が積極的にそうしようとは言ってない。野々部さんの提案をふんふんと受け入れた。
弁護人 7月末の支払いは会計担当者に被告が40万円と指示し、8月1日も会計担当者に指示したと記録にある。これは認めるか。
被告 はい。
弁護人 元石川県議への支払いは運動員買収と事実を認めると。今はどう思うか。
被告 法定、所定の手続きを経て支払うべきだった。そこまで考えが至らず、その点は反省している。
(ここまで 1188文字/記事全文 4646文字)

あなたにおすすめの記事
アーカイブの最新記事
-
【さんいん山話・ちゅうごく山話】大道山(420メートル)=益田市【動画】 (2/12)
石見の海 打歌の山の 木の間より 我が振る袖を 妹見つらむか 益田市西部の大道山は、万葉集の柿本人麻呂の歌に登場する「打歌の山」と言い伝えられ、別名「打歌山」と呼ばれている。「市中心部や海側から見て...
-
【さんいん山話・ちゅうごく山話】三階山(378メートル)=浜田市【動画】 (1/22)
中腹で2基の巨大なパラボラアンテナが異彩を放つ。浜田市の三階山。向けられた先は空ではなく水平線だ。「韓国との国際通信に使われていました」。所有する市の担当者が説明してくれた。
-
【さんいん山話・ちゅうごく山話】天馬山(251メートル)=安来市【動画】 (1/8)
▽「割石」に臨めば あなたも炭治郎 人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」で主人公が真っ二つに斬った岩とそっくりな「割石」が天馬山の山中にある。地元の住民団体などが昨年10月に会員制交流サイト(S...
-
【さんいん山話・ちゅうごく山話】雲城山(667メートル)=浜田市【動画】 (12/4)
▽山頂の「展望台」 地域シンボルの思い込め 雲城山の山頂に、鉄パイプで組まれた高さ約3メートルの展望台が鎮座する。上がると大佐山や雲月山など中国山地の山並みや、一部は林で遮られるが浜田市金城町の中心...
-
宇多田さんCMで脚光【さんいん山話・ちゅうごく山話】烏ケ山(1448メートル)=鳥取県江府町、琴浦町【動画】 (11/10)
歌手、宇多田ヒカルさんが烏ケ山を登るサントリーの飲料水のCMが2017年6月に放送され、一躍人気の山となった。宇多田さんが座った岩は会員制交流サイト(SNS)で「宇多田岩」と名付けられ、多くの登山客...