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【詳報・克行被告第50回公判】弁護側被告人質問<3>孤独感、疎外感を打ち破りたかった
弁護人 (亀井静香元金融担当相の)元秘書のことを聞く。5月31日に100万円、7月3日に200万円を渡したのは事実か。
被告 記憶の喚起に努めたが、200万円、100万円の順番ではないかと思います。
弁護人 被告は冒頭、元秘書の金額は記憶と違うと話していたが、記憶と違うか。
被告 趣旨も含めて100万円、200万円の順番は、うーん、どうも違うんじゃないかと思います。
弁護人 総論的に聞く。元秘書に現金を渡したのは事実か。
被告 はい。
弁護人 どういう考えから渡したか。
被告 簡単に言えば、元秘書に県第3選挙区の事務所に入ってほしい。右腕として政治的手腕を発揮してほしい。そのための支度金、彼の動機付けの意味合いで渡しました。
弁護人 秘書になってほしいということか。
被告 おっしゃる通りです。
弁護人 元秘書に秘書になってほしいという気持ちを抱いた理由は。
被告 彼の存在は、亀井先生は自民党を代表する議員で、その秘書として彼の存在を知っていました。亀井さんが行事に代理出席した際の立ち居振る舞い、言葉の一つを見たり聞いたりして、こういう人が本当の国会議員の秘書だなと。憧れというか、格好いいな、「ザ・国会議員の秘書」だなと尊敬の念を抱いていました。
弁護人 被告は広島の政界での立場を詳しく話した。そういったことと、元秘書に来てほしいということはつながっていたか。
被告 密接につながっていました。私は広島の政界で孤独感、疎外感を強く抱いていました。状況を変えたいという願望を持っていました。1人ではできない。元秘書のような政治の世界で経験を積み、議員、首長、企業、団体に人脈を持ち、政治センスを強く持っている。彼のような貴重な人材に支部に入ってもらい、心中抱いていた孤独感、疎外感を打ち破りたかった。いろんなことを相談するためには、よほど口の固い信頼できる方、政治的感覚にすぐれ、しっかり考えのある人じゃないと相談できない。貴重な相談相手になってほしいと強く思っていました。
弁護人 地元の県議、市議、後援会との関係を強くするために、地元秘書の役目は何か。
被告 死活的に重要だ。地元は秘書によって運営されている。私の不徳のいたすところで、いい意味での主のような存在のスタッフがいませんでした。今の秘書も誠実で信頼できる真面目な秘書だが、政治経験は浅い。選挙経験も少ない。彼らにそこまで期待できない。彼らも理解していると思います。
弁護人 元秘書に渡したお金には、案里さんの参院選の応援をしてもらいたいという気持ちはなかったか。
被告 できれば案里の党勢拡大、地盤培養行為に力を貸してほしい。選挙を助けてほしいと思っていた。私が渡したお金からすると、大層を占めていたのは私の秘書、右腕になってほしいと、すがるような思いでした。
弁護人 お金を渡した人の中で、元秘書は1人当たりの渡した金額が一番多い。その分、案里さんの選挙で、必要なところでお金をばらまいてほしいとの気持ちはあったか。
被告 元秘書を通じて、誰かにお金を渡してほしいとは、全く金輪際、毛の先ほども考えたことはありません。
弁護人 元秘書は、被告から2回目にお金を渡された際、「選挙はいろいろかかりますから」と言われて手渡されたと証言したが、そう言って渡したか。
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