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第一学習社、高校への利益提供隠蔽 教科書採択に影響か

2021/3/30 22:38

 文部科学省は30日、教科書発行の第一学習社(広島市西区)が、高校側へ不適切な利益提供をしていた件数を過小報告していたと発表した。2016年の調査結果以外に、新たに3都府県の28校に46件の提供が発覚した。不適切な行為はさらに1328件ある可能性もあるとし、文科省は当時の教科書採択への影響を調べる。

 文科省の16年調査で、同社が14、15年度に高校側へ教員用指導資料を無償で提供していたことが発覚。当時、同社は41校57件と報告していた。文科省によると今年2月に匿名の通報があり、同社に調査を指示して15、16年度分の虚偽報告が判明した。

 第一学習社によると、当時の取締役営業部長が意図的に少ない件数を報告していた。取締役は昨年12月、自己都合で退職。同社は「(資料を受け取ったとして)名前を挙げることになる現場の先生の立場をおもんぱかったと推測される」と説明した。今後は内部通報の窓口を設け、不正の発見に努める。「今後の調査に真摯(しんし)に対応する」としている。

 広島県教委によると、県立高では21年度、第一学習社の教科書を国語や地理歴史など8教科計33科目で使う予定。県教委高校教育指導課は「無償提供を受けていたかどうかは調査中」とした。

 萩生田光一文科相はこの日の記者会見で「隠蔽(いんぺい)、虚偽報告は極めて悪質で不誠実な行為。誠に遺憾で大変失望している」と述べた。不正行為があった場合に検定を不合格とする規定が17年にできている。今回はそれ以前の不正で、同日公表した検定結果には適用していない。(森岡恭子、赤江裕紀)


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