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宮島の旅館、一時休業広がる(2020年4月10日掲載)

2020/4/10 21:53
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、観光客が急減している宮島桟橋前広場

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、観光客が急減している宮島桟橋前広場

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界遺産の島・宮島の旅館で一時休業の動きが広がっている。緊急事態宣言が出されて以降、利用客の減少が続き、回復のめどが立ちにくいため。中小の旅館は資金余力が乏しいところもあり、関係者は「スピーディーに資金を確保できるよう行政は支援を」と訴えている。

 「創業以来、改装以外で休業するのは初めて」。人気旅館の支配人は肩を落とす。緊急事態宣言の後、関東や関西からのキャンセルが相次ぎ、10日からの一時休業を決めた。今月は、予約のある3日間を除いて計18日間休む。4月の売り上げは前年同月と比べ97%も減る見通し。

 5月もゴールデンウイーク期間中は開くが、その後中旬まで休業する予定。「予約表が真っ白。この状態で営業したら赤字なので休んでコストを減らす。何とか感染終息後に備えたい」と支配人は述べる。

 別の老舗旅館も、4月は5〜6日間、5月も10日ほど休業する方針。「何としても従業員の雇用は守りたい。けれどこの状態があと数カ月続けば宮島の旅館はどこも厳しい」と経営者は打ち明ける。

 多くの旅館経営者が心配するのが資金繰りだ。政府の支援策として、日本政策金融公庫の実質無利子融資などがある。ただ手続きは複雑で実際に融資を受けるまで時間がかかる。緊急経済対策で決めた最大200万円の給付金も、支給は5月末から夏ごろになる可能性がある。雇用調整助成金も支給に2カ月ほどかかる例もある。このため「もっと早く資金を確保できるよう支援してほしい」と別の旅館経営者は訴える。

 宮島旅館組合の有本隆哉組合長は「国の経済対策の情報を組合で迅速に共有する。遠方から来ていただくのが難しい中、県内の方に島の良さを伝えていく。終息後に向け前を向き、懸命に取り組む」としている。(東海右佐衛門直柄) 

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