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「大麻リキッド」摘発増加 20年と既に同数、若者への広がり警戒

2021/4/3 22:44
大麻や大麻リキッドとみられる画像とともに密売を持ち掛けるツイッターの書き込み(画像の一部を修整しています)

大麻や大麻リキッドとみられる画像とともに密売を持ち掛けるツイッターの書き込み(画像の一部を修整しています)

 広島県内で大麻を加工した液体状の「大麻リキッド」を巡る摘発が増えている。県警は今年に入って5件を摘発し、既に昨年1年間と同数となった。うち1件は高校生の所持容疑だった。電子たばこで加熱して吸うため、抵抗感や罪悪感が乾燥大麻より薄いと指摘される一方、成分が濃縮されており作用や依存性は強いリキッド。会員制交流サイト(SNS)での密売も横行し、県警は若者への拡大に神経をとがらせている。

 「(リキッドを)晩酌代わりに毎日吸っていた。周囲もやっていたし、軽い気持ちだった」。今年1月、大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕、起訴された広島市南区の自営業の男(22)は法廷でそう語った。

 先輩から勧められ、初めて大麻を吸ったのは18歳の頃。その後、密売人を通じて自分で購入するようになった。リキッドを初めて試した時には「手軽に使えるから驚いた」という。捜査関係者によると、男は追突事故を起こして所持が発覚。当時、運転中に吸っていた。広島地裁は3月、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

 リキッドを巡っては、県警は2018年1月、30代男を所持容疑で初摘発。薬物銃器対策課によると、県警が押収・摘発した件数は18、19年は各1件だったが、20年は5件に。今年は3月末までに5件に上っている。

 3月には高校生男子(18)が所持容疑で逮捕され、10代にも広がっている現状を浮き彫りにした。複数の関係者によると、この高校生は相当量のリキッドを持っていたという。税関が押収したため県警の統計には含まれていないが、バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の広島ドラゴンフライズ元選手(28)も国際郵便で米国から輸入したとして逮捕、起訴された。

 薬物問題に詳しい横浜薬科大の篠塚達雄教授(法中毒学)は「リキッドは蜂蜜などに見せかけて密輸される手口が多い。17年夏ごろから国内で徐々にまん延し、今や主流になった」と指摘する。財務省によると、20年の全国の税関による大麻草の押収量は前年より減少した一方、リキッドを含む「大麻樹脂等」は約3・2倍になった。

 SNS上では隠語での売買が横行している。実際にツイッターで検索してみると「リキッド入った。野菜(大麻)も。山口、広島手押し(対面取引)」といった書き込みがあふれている。

 同課によると、県警が20年に同法違反容疑で摘発した57人のうち、30歳未満は28人と全体の約半数を占めた。県警は「リキッドが広がれば、若者の乱用がさらに進む可能性がある」と警戒する。サイバーパトロールでSNSの監視を強めるほか、小中高校や大学で薬物の危険性を訴える教室も継続して進める。(根石大輔)

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