鳥取県すでに「第4波」、ウイルス量多く変異株並み 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染が関西地方などで急拡大し「第4波」を迎えたといわれる中、中国地方では隣接する鳥取県がいち早く第4波に覆われている。感染者ゼロだった3月上、中旬から一転、下旬にはクラスター(感染者集団)が2件発生。県は、緊急事態宣言解除に伴う移動の増加で変異株も含めウイルスの流入が起こったほか、調査を基に、変異株以外でも感染力が強くなった影響とみる。
3月31日に認定した鳥取市の接待を伴う飲食店のクラスターでは従業員2人、客21人に広がった。26日に送別会の2次会を開いた県職員は8人全員が感染した。
倉吉市の事業所の社員寮では、中国地方で初の発表となる変異株のクラスターが発生。3月29、30日に判明した感染者は入寮者15人のうち11人に及んだ。入寮者1人が21、22日に大阪府を訪れていた。
4月3日までに両クラスターの関連を含む感染者は計53人。ほかも含め67人と急増したものの、うち変異株のスクリーニング検査での陽性は15人にとどまる。
県が着目するのは、変異株ではない鳥取市のクラスターの感染者の、感染力に直結するとされる「ウイルス量」の多さだ。PCR検査の遺伝子検出までの増幅回数「Ct値」を見ると、関連の感染者40人のうち、感染力が強いウイルス量とされる25未満が16人に上った。
一方、第3波が襲った年末年始は、境港市の飲食店2店にまたがるクラスターで、関連を含む感染者39人のうち、Ct値25未満は3人だった。平井伸治知事は「ウイルス量の多い感染者が連鎖し、変異株並みの感染力がある」と分析。変異株とともに、これから全国的に同様の感染が急拡大する可能性を指摘する。
県は昨春から、感染者判明と同じ日に濃厚接触者を検査するなどの積極的疫学調査と、幅広い検査を徹底してきた。今回の第4波でのクラスター2件の感染経路の特定は進み、市中感染には至っていないとみる。しかし鳥取市などで依然、感染の散発が続く。
4月1日、県はウイルス量など「感染しやすさ」を基準にした全国初の「新型コロナ感染増大警戒情報」を鳥取市と倉吉市に出した。会食時をはじめマスク着用の徹底や「3密」回避など予防レベルの引き上げを県民に呼び掛け。さらに「まん延防止等重点措置」の適用が決まった大阪府や兵庫県との往来を控えるよう求め、抑え込みを図る。(小畑浩)
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