地域ニュース

海岸浸食…道路の通行止め相次ぐ 江津、消波ブロック設置加速へ

2021/4/6 7:27
浸食が進む江津市和木町の海岸

浸食が進む江津市和木町の海岸

 島根県は高波による浸食が進んでいる江津市和木町の海岸の対策として、消波ブロックを海中に積み上げた潜堤の設置を加速化させる。今秋までに、昨年度に設けた50メートルの東側に150メートル延ばす。

 海岸と並行した市道の路肩近くまで浸食が進み、昨年5月〜今年1月は3回計22日間、通行止めになる影響が出た。5月20日には、高波で砂浜が約60メートルにわたって道路ぎりぎりまで削られた。市は市道江津敬川海岸線(産業道路)の和木町―都野津町間約1キロを9日間通行止めにしたほか、電柱の根元が削られ傾く被害もあった。昨年9月3〜11日と昨年12月30日〜今年1月2日にも路肩が崩れる恐れがあるとして通行止めにした。

 県は長年の波浪の影響とみて、潜堤を全長300メートル設置する計画を立て、2018年度に設計に着手した。海岸から約200メートルの海中に5・3メートルの高さでブロックを積み上げ、波を抑える。20年度に50メートル分を設け、20年5月の被災を受け、さらに本年度、150メートル分を設置する。残る100メートルは未定という。

 事業費は6億円。国の防災・減災対策の事業を活用し、国と折半する。浜田県土整備事務所は「台風の時季に備え、道路やJRの線路への影響を防ぎたい」としている。

 ▽ロシア艦の乗組員救援伝える慰霊碑、住民が移設

 江津市和木町沿岸では日露戦争中の1905年、沈没したロシア艦「イルティッシュ号」の乗組員を住民が助けた歴史がある。海沿いには一連の戦いによる死者を悼む慰霊碑があったが、海岸浸食の進行を受け地元住民が、近くの和木地域コミュニティ交流センターに移設した。

 慰霊碑は高さ約3メートル。59年に建立され、住民が管理してきた。長年の波浪で砂浜が縮小してきたため移設を決定。多くの人に見てもらおうと、元の場所から約500メートル内陸にある町の中心施設の一角に据えた。3月に移設式典があり、住民たち約20人が参加した。和木まちづくり協議会の野田久雄会長(69)は「慰霊碑を守り続け、和木の先人の素晴らしい行いを語り継ぎたい」と話した。

 イルティッシュ号は05年5月、同町沿岸に漂着し、住民が乗組員200人以上を助けた。町内では例年、歴史を伝え平和を願う「ロシア祭り」が開かれている。(下高充生)


この記事の写真

  • 移設した慰霊碑を見上げる住民

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧