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参院広島 佐藤さん国政復帰(2007年7月30日掲載)

2021/3/25 0:05
国政への復帰が決まり、花束を手に笑顔を見せる佐藤さん(左)

国政への復帰が決まり、花束を手に笑顔を見せる佐藤さん(左)

 二十九日投開票の参院選広島選挙区(改選数二)は、民主党新人の佐藤公治さん(48)がトップで国政に返り咲き、自民党前職の溝手顕正さん(64)が続いた。広島市内のそれぞれの事務所は歓声がわいた。護憲を掲げた無所属新人の河野美代子さん(60)は支持が広がらず、増税反対などの政策を唱えた共産党新人の藤本聡志さん(52)、子育て支援などを訴えた無所属新人の吉長ゆいさん(48)は及ばなかった。無所属で比例代表前職の福本潤一さん(58)は出遅れが響いた。県内の投票率は56・91%(前回53・69%)だった。

 ▽参院に転身「日本刷新へ」

 元衆院議員(比例中国)の佐藤さんは、トップ当選で国政復帰を果たした。「日本を変える新たな出発だ」。表情には喜びと同時に、小沢一郎代表とともに政権交代を目指す決意をにじませた。

 佐藤さんは広島市中区国泰寺町の事務所で花束を受け取り、集まった支持者と万歳を繰り返した。「与党、自民党の政治をおかしいと思う人が支えてくれた」。選挙戦を陣頭指揮した党県連代表の松本大輔衆院議員(比例中国)は「今回の勝利をきっかけに、衆議院の早期の解散総選挙に追い込みたい」と強調した。

 今までの四度の衆院選と同じく、個人演説会と街頭演説で有権者に直接、政策を語りかける戦術を徹底。繁華街でのパレードや自転車隊などのパフォーマンスも繰り広げた。連合広島が軸の組織選挙との相乗効果で全県的な支持を集めた。

 ▽溝手さん閣僚の強み 自公が組織力発揮

 災害対応、治安向上の国の責任者として実績をアピールした溝手さんは、自民、公明両党の組織力を背景に着実に票を積み上げた。トップ当選は逃したが、与党への逆風をはねのけた。

 広島市中区大手町の事務所には開票前から衆院議員や県議、市議らが姿を見せた。早々と当確の一報が入ると、溝手さんは笑顔で支援者と握手を交わし、万歳三唱をした。

 野党からの批判を浴びた年金記録不備問題で溝手さんは、安倍内閣の閣僚として政府・与党の対応への理解を訴えてきた。一緒に街頭でマイクを何度も握った選対本部長の岸田文雄衆院議員(広島1区)は「参議院の中核を担ってほしい」とホッとした表情であいさつした。

 拍手で迎えられた溝手さんは「参議院らしい良識ある判断をしていきたい」と誓っていた。

 ▽河野さん知名度生かせず 憲法論戦かみ合わぬまま

 産婦人科医師として幅広い活動に取り組んできた河野さん。高い知名度を生かし無党派層の取り込みを狙ったが、及ばなかった。

 組織を軸にした自民、民主両党の選挙戦とは対照的に、大規模な個人演説会は開かず、街頭演説や選挙カーでの遊説にこだわった。終盤は地元の広島市に重点を置き、憲法改正反対や医療・福祉の充実を訴えてきた。

 約二十五年前から県内を講演に回り、著書やテレビ出演を通じ知名度では強みもあった。ただ、年金記録不備問題が最大の争点に浮上し、憲法をめぐる論戦はかみ合わなかった。選挙戦を支えた広島市議の馬庭恭子さんは「手づくり選挙で、ここまで健闘できて誇りに思う」と労をねぎらった。

 ▽藤本さん三たび涙

 藤本さんは、広島市南区的場町のホテルで支援者らと開票結果を見守った。しかし、得票は思うように伸びず、二大政党の流れを押し戻すことはできなかった。

 選挙戦では、被爆二世の立場から「被爆地・広島から平和憲法を守る」と主張。年金や「政治とカネ」の問題では民主党も批判するなど「確かな野党」の伸長を訴えた。

 中区八丁堀の事務所で会見。三度目の参院選挑戦に「県民の思いに多少なりとも応えられた」と盛り上がりを感じたが、議席には届かなかった。

 ▽吉長さん、風吹かず

 吉長さんは、広島市中区本川町の事務所で「私の力不足。申し訳ありません」と支持者に頭を下げた。「台所から見える政治」を掲げ、主婦や女性の視点から政治に新しい風を吹かそうと訴えたが、浸透しなかった。

 出身地・呉市の財界有力者の要請を受けて五月下旬に立候補を表明した。「保守系無所属」を名乗り、無党派層をはじめ、安倍政権に批判的な自民党支持層などの受け皿になろうと努めたが、風をつかめなかった。

 ▽福本さん無念 地元で伸びず

 比例代表から広島選挙区に転じた福本さん。公示前、公明党を除名され、出身地・広島で議席獲得を狙ったが、果たせなかった。

 選挙戦では、かつて副幹事長を務めた公明党を含む与党を批判。与野党逆転の必要性を唱えた。地球環境対策や農業振興策も訴えながら県内を巡ったが、組織を失った中で、支持の浸透はかなわなかった。立候補の表明が公示三日前と、出遅れたのも響いた。

 広島市南区翠の事務所で開票速報を見守った福本さんは「短期間の戦いとなったが全力を傾けた。結果を厳粛に受けとめている」と語り、支えてもらった知人らにお礼を述べた。

 ▽県内投票率56・91% 前回を3・22ポイント上回る 期日前・不在者計23万561人

 県選管がまとめた参院選の県内投票率(選挙区)は56・91%で、前回の53・69%を3・22ポイント上回った。過去五番目の低さだった。

 市町別の投票率は、最高が安芸太田町の72・18%で、次いで北広島町の71・13%、庄原市の71・1%と続いた。最低は広島市の53・72%だった。

 市部は平均56・62%、郡部は61・11%で、ともに前回より高かった。市部の上位は庄原市、次いで三次市の64・75%だった。

 男女別は男57・01%、女56・82%で、ともに前回を上回った。

 期日前投票者は、二十一万三千七百四十七人、不在者投票者は一万六千八百十四人で、計二十三万五百六十一人。前回を六万六千五百九十二人上回った。


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  • 当選が決まり、支持者と握手を交わす溝手さん(中央)
  • 支持者に笑顔で感謝する河野さん(左)

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