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報酬増先行には慎重 岩国市議会、議員定数削減へ議論 「なり手不足」に懸念も【ズームやまぐち】

2021/4/6 20:57

議員定数や報酬の在り方を議論した岩国市議会の議会制度検討委

 岩国市議会(定数30)が議員定数を削減する議論を進めている。議員のなり手不足解消に向け、定数を減らした分、議員報酬を増やす方向で始まった。新型コロナウイルスの影響で経済環境が悪化する中「報酬アップは市民の理解が得られない」と削減先行を求める意見が多数を占める。一部の会派からは「処遇を改善せず定数を減らせば、なり手不足が加速する」との声も上がる。

 「定数は2減の28とするべきだ」「報酬の議論は時期尚早」―。2月上旬にあった市議会の議会制度検討委。藤本泰也議長と主な会派の代表計10人が定数と報酬の在り方を話し合った。

 議論は2019年9月に始まった。背景には、各地の地方選で候補者が減り、無投票が相次ぐことへの危機感がある。岩国市では前回18年の市議選の候補者が過去最少の33人。投票率も50・38%と最低だった。17年の柳井市議選や19年の和木、平生町議選が無投票となり、19年の県議選も光市や下松市など5選挙区で無投票だった。

 岩国市の若手議員の一人は「4年に1度の選挙で落ちたら無職。月収は同世代に比べると多いかもしれないが、年金や活動費を差し引くと貯蓄はできない」と将来への不安を口にする。

 議員を目指す人を増やすため、市議会の議論も定数削減に併せた報酬アップが焦点だった。人口13万人の岩国市の定数は30人。全国市議会議長会によると人口10万〜20万人の全国156市議会の平均25・5人に比べ5人多い。議員報酬は全国平均の月額46万3900円に比べ、岩国市の44万円は2万円少ない。

 ▽月3万円増試算

 市議会は定数を2人減らし、浮いた分を報酬に充てると1人月3万円増やせると試算していた。ところが、昨秋以降の新型コロナの感染拡大を受け「生活に困る市民がいる中で議論はできない」との意見が過半数を占めるようになった。

 一方、最大会派の憲政会(8人)は「報酬増額とセットでなければ、定数を削減するべきではない。議員のなり手不足解消の目的と逆行する」と主張。共産党(3人)も「定数を減らせば、多様な意見を反映できなくなる」とし、報酬も含めた現状維持を訴える。

 ▽市民の反発警戒

 市議会の議論には、議員自らの待遇改善に対し、市民から反発されることに強い警戒感がにじむ。地方議会に詳しい日本大法学部の林紀行准教授(政治学)は「議員のなり手を増やすために報酬アップは一つの方法だが、定数削減は議員の間口を狭める。議員が報酬に見合う仕事をしているとアピールし、待遇改善の必要性を市民に理解してもらうことから始めるべきではないか」と指摘する。

 具体策として、議会改革に市民の意見を反映させるモニター制度の導入や、議員のなり手が少ない若者や女性との対話集会の開催などを提案する。

 岩国市議会は来年秋に迫る市議選に向け、少なくともことし9月までに定数や報酬の結論を出す方向で調整している。(永山啓一) 


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