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社長ら任期途中で辞任 安芸高田の三セク、神楽門前湯治村
安芸高田市美土里町の観光施設、神楽門前湯治村などを運営する市の第三セクター「株式会社神楽門前湯治村」の社長を含む役員6人が、世代交代などを理由に任期途中で辞任した。市は、課長級職員1人を専務として新たに派遣し、役員を9人から5人に減らした。低迷が続く業績の改善に向け、市の経営への関与を強める。
市商工観光課によると、辞任したのは溝本郁夫前社長(65)たち取締役5人と監査役1人。取締役のうち4人は1996年の会社設立時から務めていた。3月30日の株主総会で辞任を承認。任期は来年3月末まで残っていた。
新体制では石丸伸二市長が引き続き会長を務め、社長には米村公男副市長が就いた。他の役員は、市派遣の専務と、旧体制から残った取締役と監査役の各1人。
石丸市長は昨年夏の就任以降、市の財政健全化に向けて第三セクターの経営改善を進める考えを強調。同社の役員と今後の施設運営について協議していたという。溝本前社長は辞任の理由について「市長が今までとは違う経営方針を考えている。われわれは役割を終えた」と説明している。
同社は、2千万円(50%)を出資する市が筆頭株主。神楽門前湯治村と道の駅「北の関宿安芸高田」(美土里町)を指定管理し、2施設で年間計約5800万円の指定管理料が市から支払われている。近年は収益の柱である神楽門前湯治村の宿泊や宴会の利用が減り、業績が低迷。昨年は新型コロナウイルス禍による臨時休業や神楽公演の中止も重なり、湯治村の年間売上高は1億5531万円と前年比で42%減った。市は同社の役員報酬を公表していない。
湯治村には飲食店や温泉、土産物店もあり、当面は従来通り営業する。石丸市長は今後について「まずは現状を把握し、市内部で課題を共有して経営を立て直す」と説明。神楽の発展につながる取り組みを続けつつ、宿泊や飲食などの事業のあり方を検討する考えを示す。「財政が厳しい中、今のままの施設運営を続けることはできない。市の責任を明確にし、何を残すべきかを市民と考えていく」と話している。(和泉恵太)
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