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平和大橋、進まぬ道路拡幅 4度の入札不調などで未着工、完成予定から1年経過

2021/4/12 21:33
ノグチ氏が設計した平和大橋。歩道にクッションドラムが置かれたままになっている(撮影・荒木肇)

ノグチ氏が設計した平和大橋。歩道にクッションドラムが置かれたままになっている(撮影・荒木肇)

 世界的彫刻家のイサム・ノグチ氏が設計した平和大橋(広島市中区)の道路拡幅工事が進んでいない。2019年3月、北隣に歩行者と自転車の専用橋が開通。市はその後、従来の橋上の歩道をなくして車道を広げる計画だったが、4度の入札不調などで未着工が続く。当初の完成予定から既に1年以上が過ぎ、市民から「いつになったら広がるのか」との声が上がっている。

 ノグチ氏が手掛けた平和大橋は、両端に「太陽」を思わせる半球を付けたモダンなデザイン。道路幅は約11メートルで、片側2車線に必要な幅を確保できないまま車が窮屈に並走するため、事故を懸念するドライバーは少なくない。

 計画では、橋上の北側の歩道をなくすことで幅を約12メートルに広げ、正式に片側2車線とする。当初20年度中の完成を計画していた。

 工事を担当する中区地域整備課によると19年2月、道路拡幅や欄干の補修などを組み合わせた工事の入札を実施。しかし応札した2社はいずれも最低制限価格を下回り、発注内容を見直した同年8月も不調に終わった。翌月に業者は決まったものの、作業員の手配や資材の入手が難しいと市が判断し、未着手だった道路拡幅を昨年3月に契約内容から外したという。

 その後、昨年9月と今年1月に実施した入札も不調に終わり、いまだ拡幅工事に着手できない。このため、19年に北隣に専用橋ができた後、橋上の北側の歩道には歩行者が入れないよう黄色のクッションドラムが置かれ、やや不格好な様相だ。

 入札不調が続く背景について、同課は「西日本豪雨の復旧工事や新型コロナウイルス禍の影響が考えられるが、正直答えが見つからない」と困惑する。市民から苦情や問い合わせも寄せられているという。

 今後、夏までに業者を決め、21年度内の完成を目指す考え。同課は「不便をかける状態が続いている。業者に応じてもらえるよう契約内容の見直しを進めている」としている。(山崎雄一)

 <クリック>平和大橋 1952年に完成した平和大通りの元安川に架かる橋で、平和記念公園に隣接する。全長85・55メートル、南北の歩道を含めた幅は15メートル。彫刻家イサム・ノグチ氏が手掛けた欄干は両端に向けて反り返り、先端は半球状。広島の日の出をイメージしたとされる。観光客や通勤・通学の自転車が多く行き交い、狭かったため2019年3月、広島市が北隣に、歩行者と自転車の専用橋を新設した。


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