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【緊急事態宣言の波紋】客減や家賃…廃業続々 広島の繁華街、県の休業要請開始(2020年4月23日掲載)

2020/4/23 0:16
閉店した居酒屋を片付ける西山さん=広島市中区(撮影・藤井康正)

閉店した居酒屋を片付ける西山さん=広島市中区(撮影・藤井康正)

 ▽見えぬ終息、耐えきれず

 新型コロナウイルスの感染拡大阻止へ、広島県が要請した施設や店舗の休業が22日、始まった。広島市中心部の繁華街では、客足の激減や今後の休業に耐えきれず、店を閉じる動きがじわり広がり始めている。休業や営業時間短縮の要請対象になったバーやインターネットカフェ、居酒屋などだ。いまだ出口の見えないウイルス禍に、経営者たちの憂いは深まる。

 「閉めたくはない。でも、いつ終息するか見通せない中、高い家賃を払い続けられない」。ペルー国籍を持つ日系3世の西山リチャードさん(51)=南区=は肩を落とす。中区で経営する居酒屋とレストラン、サルサダンスバーの計3店を今月末までに順次閉店することを決めた。

 1990年に来日。27歳で日本人と結婚して交友関係が広がり、「日本は母国よりも落ち着く場所になった」と言う。2002年にダンスバーを開業。次に居酒屋を始め、レストランは東京五輪による訪日客を見越して昨春オープンしたばかりだった。「国籍に関係なく交流を楽しめる場を続けたかった」

 約3千もの飲食店や風俗店がひしめく中四国最大の歓楽街、中区の流川・薬研堀地区。キャバレーの「日本一桃太郎」広島店は3月末、40年以上の歴史に幕を下ろした。「近年の業績不振に新型コロナが追い打ちを掛けた」と運営する森川観光グループ(三原市)。今月上旬までに広島、山口、岡山県などのキャバレー全店舗を閉じたという。

 22日、同地区を歩くと、多くの店の入り口付近に臨時休業や営業時間の短縮を伝える張り紙が出されていた。それに交じるように、閉店の案内もあった。開店以来40年に及ぶ営業を今月13日にやめた居酒屋。張り紙には長年の客への感謝の言葉がつづられていた。

 近くの本通り商店街では、雑居ビルに入る全国チェーンのネットカフェが22日、店を閉じた。電飾の明かりが消えた看板に張り紙が掲げられていた。東京の運営会社に電話すると「(会社は)感染防止のため一時、閉鎖中」との音声が流れるだけだった。(松本恭治、山成耕太) 

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