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山口の聖火リレー、ボランティア定員に満たず 五輪反対の世論受け 各市の担当者やきもき

2021/4/13 15:49
県内の聖火リレーのスタート地点となる岩国市の吉香公園

県内の聖火リレーのスタート地点となる岩国市の吉香公園

 東京五輪の聖火リレーが5月13、14の両日、山口県内13市を巡る計33・2キロのコースである。新型コロナウイルスの感染が都市部を中心に拡大する中、実施まで1カ月に迫るが、各市の担当者は大会機運の醸成と感染対策の両立に頭を悩ませている。世論調査では全国の約7割が今夏の五輪開催に批判的な見方を示しており、観覧者やボランティアを公募しても定員に満たないケースも出ている。

 JR徳山駅前で聖火到着を祝うイベントを計画する周南市。100人限定で観覧者を募集したが、今月12日の締め切りまでに集まったのは20人だった。沿道に立つボランティアも100人の定員に対し応募は66人。到着イベントは、急きょ関係者で空席を埋める検討をしているという。市文化スポーツ課の河野武巳係長は「コロナ禍で大々的にアピールするのが難しかった」と肩を落とす。

 山口市も国宝瑠璃光寺五重塔前のセレモニーの観覧者を40人限定で募ったが、集まったのは半分。柳井市は昨年度まで沿道ボランティアを公募予定だったが、スポーツ団体などに協力してもらう方式に切り替えた。

 共同通信社が今月実施した世論調査では今夏の東京五輪・パラリンピックについて「中止するべきだ」との回答が39・2%、「再延期するべきだ」が32・8%を占めるなど、五輪開催よりもコロナ対策を求める意見が多い。

 各市とも聖火リレーの実施を前提に、観覧者へのマスク着用や大声の自粛の呼び掛けを始めている。インターネットで視聴できることもPRし、密集を防ぐ対策にも力を入れる考えだ。

 岩国市は今月15日発行の広報誌でコースとなる錦帯橋周辺の交通規制の情報に加え、観覧の注意点を掲載する。出発式は簡略化し、関係者による短時間のセレモニーにするという。担当者の一人は「本来ならたくさんの方に見てほしいが、コロナ対策でさまざまな制限をしなければいけない。アクセルとブレーキを同時に踏む感じでやりにくさがある」と本音を漏らす。

 県スポーツ推進課の窪川耕太郎課長は「直前のコロナの状況でどうなるか分からないが、公道で行うのを前提に市町と準備する。密にならない程度に観客に来てほしい」と話している。(永山啓一、川上裕、中川晃平)

 <クリック>県内の聖火リレー 5月13日午前8時20分ごろ岩国市の吉香公園を出発。柳井、光、下松、周南、防府の各市を巡り、午後8時ごろ山口市の中央公園に到着する。同14日は宇部市を出発し、山陽小野田、下関、美祢、長門の各市を結び、萩市の萩中央公園までつなぐ。 

【グラフ】山口県の新型コロナウイルス感染者数と医療提供状況

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