地域ニュース

まずは農園づくり 思わぬ縁「妄想」現実に【耕すアラフォー記者】<2>

2021/4/13 19:48
大雨被害を受けた田の稲刈りでは、地元の住民や学生、記者仲間たちが協力隊員(左端中列)に協力してくれた(2019年10月)

大雨被害を受けた田の稲刈りでは、地元の住民や学生、記者仲間たちが協力隊員(左端中列)に協力してくれた(2019年10月)

 青々と伸びた稲が、オレンジ色の朝日を受けて輝く。2019年8月。新聞社を休職し、東広島市の地域おこし協力隊として山あいの福富町に赴いた。

 アラフォー隊員の構想はこうだった。担い手のいない田畑を借用。農家の手ほどきを受け、子どもがマイペースで土いじりや農イベントを楽しめる場に再生する。不登校や病気に悩む若者、自然体験を望む家族など、多様な年代や背景の人が交わる居場所にする―。

 だが、この山里に何の縁もない。田畑を借りるつてもない。体力も根性もない。そもそもこれまで野良仕事をしたことがない。「見知らぬ親子とわいわい」なんて柄でもないのだ。

 ないない尽くしの隊員は、この地の大家、藤井昭生さん(65)に「妄想」を打ち明けた。町外に住む藤井さんは、両親の死後に空き家となったこの実家に週末だけ通い、畑の片隅で自家用野菜を作ってきた。

 「4年前に死んだおふくろも、広島の子どもら向けの農業体験とかしよったで」。藤井さんが言う。やった。「それ、ここで復活させましょう。野菜作りを教えてください」「ほう。ええよ。わしも張りが出るわ」。人生、出会うべき人とは出会うものだ。
(ここまで 482文字/記事全文 1183文字)

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