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東ちづるさん、五輪パラ文化行事で総指揮 台本作りからキャスティング、演出まで

2021/4/13 19:48
「気軽に楽しんでもらえるエンターテインメント性の高い作品にしたい」と語る東さん(撮影・浜岡学)

「気軽に楽しんでもらえるエンターテインメント性の高い作品にしたい」と語る東さん(撮影・浜岡学)

 俳優の東ちづるさん(60)=尾道市因島出身=が、東京五輪・パラリンピックの公式文化プログラムで、多様性と共生社会の実現をテーマにした映像作品「MAZEKOZE(まぜこぜ)アイランドツアー」の総合構成・演出・総指揮を務める。五輪とパラリンピックをつなぐ機運の醸成も担い、8月22日からオンラインで無料配信する。「私自身の社会活動の集大成。エンターテインメントの力でメッセージを伝えたい」と決意をにじませる。

 東さんは俳優、タレント活動の一方、障害者、性的少数者ら、さまざまな「生きづらさ」を抱える人たちを支える活動に力を入れる。一般社団法人「Get in touch」の代表を務め、アートや音楽、舞台、映像などを通じ、誰も排除しない「まぜこぜの社会」を目指す。

 昨年10月、大会組織委員会からオファーを受けた。1カ月悩んだが「仲間に相談したら喜んでくれた。この仕事をやり遂げれば、多様性の扉は開くと信じて引き受けた」という。台本作りやキャスティング、メークや衣装、ロケ地の決定、演出など全てを担う。

 今年2月、早期の胃がん手術を受けた。約2週間の入院を余儀なくされたが、術後の体調に問題はなく「朝から晩まで打ち合わせをし、夢の中でも考えている」と語る。

 約1時間半の映像では、ジェンダー、国籍、障害の有無などのテーマを持たせた島を巡りながら、音楽やダンス、アートなどで多様な人々が自分らしく生きられる社会を可視化していく。「面白かった、楽しかったにプラスして、モヤモヤを感じてもらいたい」といい、エンタメを通じて気付きを与えていく。

 東京大会のビジョンである「多様性と調和」は、組織委の森喜朗前会長の女性蔑視発言でくしくも注目を集めた。「私も30年前は無自覚で人を傷つけていたと思う。無知は時として残酷。作品を見た人が何に引っかかりを覚えるかはそれぞれ。間違っている、正しいとかは考えず、感じ取ったことを家族、友達、職場で話してほしい」と呼び掛ける。

 新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期となった大会。「延期になったことで五輪、パラリンピックについてみんな一度は考え、会話したと思う。こんな大会はない」と受け止める。まぜこぜの社会の実現へ、大会がそのきっかけになると情熱を注ぐ。(中橋一誠) 

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