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【コロナ危機 苦境を越える】大家も苦境、家賃減免対応に温度差 広島県内の飲食ビル(2020年4月24日掲載)

2020/4/24 22:59
飲食ビルの家賃を減免する動きが出ている流川地区(広島市中区)

飲食ビルの家賃を減免する動きが出ている流川地区(広島市中区)

 新型コロナウイルスの感染拡大による飲食店の休業を受け、広島県内の飲食ビルの大家が家賃を減免する動きが広がっている。店の廃業が相次げば大家もビル経営が難しくなる。ただ大家の負担も重く、対応には温度差がある。支援を求める声が強まっている。

 ▽「長期化なら持たぬ」 公的支援を望む声

 広島市中区流川地区に飲食ビルを持つ朝日土地(中区)は、テナントの賃料を3月は2割、4月は6割減免した。他の所有者の委託を受けて管理するビルも含め計4棟にスタンドやラウンジなど計50店があり、県の要請前から多くが休業している。中祖悠太取締役は「流川の厳しい現状を他のオーナーさんにも説明し、協力いただいた」と話す。

 ▽共存共栄 説く

 福山市の繁華街に飲食ビルを持つ共栄店舗(福山市)も、スナックなどの賃料を5、6月分は半額にした。ビルの約30店が休業に入り、厳しい資金繰りを訴える声が出ていた。織田誠二社長は「廃業に追い込むわけにはいかない。繰り延べも検討したが、後の負担も考え半額とした」と明かす。

 広島市中区のある不動産会社社長は、賃料の減免に応じるよう大家を説得して回る。「オーナーとテナントは共存共栄。十分話し合ってほしい。終息した時、店が存続していれば回復は早い」と先を見据える。

 休業して収入が途絶える飲食店にとって、家賃は継続した負担となる。県は休業要請に応じた事業者に最大50万円の協力金を支給する方針だが、休業が長くなれば賃料をカバーするのは難しい。西区で焼き鳥店を営む吉村充史さん(37)は大家から家賃半額の提案を受けた。現在はテークアウトだけの営業。「涙が出るほどうれしかった」と語る。

 ▽負債抱え所有

 国土交通省は3月末、家賃の支払い猶予などに柔軟に応じるよう不動産業界団体に要請した。だが対応は大家や不動産会社により差がある。流川地区でラウンジを経営する社長は「応じてもらえないと嘆く店主もいる」と話す。負債を抱えてビルを所有する大家も多い。一方、減免に踏み切った大家からは「長期化すれば、公的支援がないと続かない」との声が漏れる。

 事業者の家賃負担の支援を巡っては、与野党がそれぞれ新たな対策を検討している。全国では自治体が独自に支援する動きもある。(寿山晴彦)

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