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特殊詐欺「おれおれ」劇場型が急増 1時間以内に複数回電話/動揺させ判断力失わせる

2021/4/15 21:11

 広島県内の特殊詐欺被害のうち今年急増している「おれおれ詐欺」で、被害に遭った人の56.3%が、犯行グループからの最初の電話から1時間以内に複数回連絡を受けていたことが県警の調べで分かった。息子や孫、警察官などを装って矢継ぎ早に連絡し、電話を受けた人の冷静な判断力を失わせる「劇場型」の手口。被害者の大半は、午前中に最初の電話を受けていた。今月13、14日には呉市で高齢女性2人が計400万円を詐取されるなど被害は続き、県警は警戒を呼び掛けている。

 【劇場型、実際のやり取り】

 県警によると、1〜3月の県内の特殊詐欺被害は1億1205万円(52件)で、既に昨年1年間の被害額(2億4105万円)の半分近くに上っている。うち、おれおれ詐欺が5484万円(16件)と約5割を占めている。

 県警がおれおれ詐欺16件を分析した結果、被害者はいずれもお年寄りで、全て自宅の固定電話に連絡が入っていた。犯行グループの最初の電話から1時間以内に2、3回目の電話がかかっていたケースは9件(56・3%)あった。県警生活安全総務課は「短時間に何度も電話して被害者を動揺させ、周囲に相談する時間を与えない狙いがある」と指摘する。

 また、最初の電話がかかってきた時間帯は大半が午前中。さらに12件(75・0%)は、その日の午後3時までに100万円以上の現金を自宅や近くを訪れた犯人に手渡していた。犯行グループが、電話をかけた当日に現金を受け取る時間を確保しようと午前中から動きだしているとみられる。

 手口も似通っていた。最初の電話で息子や孫役が「携帯電話や、仕事で使う小切手が入ったかばんが置引に遭った」と説明。続いて警察官役が「かばんが見つかったが中身はない」と連絡。その後、再び息子や孫役が「知り合いが代わりに取りに行く」と電話し、自宅などで知人役が現金を受け取っていた。

 息子や孫役が「小切手をなくしたことは誰にも言わないで」と口止めしたり、広島弁を使ったりしたケースもあったという。

 同課の織田敏範管理官は「かばん、小切手などのキーワードや手口の特徴を覚えていてほしい」と強調。犯行グループと話さないのが一番の防止策とし、留守番電話や防犯機能付き電話の活用を促している。(根石大輔)

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