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聖火リレー「3密」回避に苦慮 あと1カ月、中国地方自治体

2021/4/16 23:27

 中国地方での東京五輪の聖火リレーまで、1カ月を切った。新型コロナウイルス「第4波」の様相が強まる中、中国5県では公道での開催を前提とするものの、鳥取は一部で縮小・簡素化を検討している。各自治体はいずれも観客が集まらないよう「3密」回避策に苦慮する。大会機運の盛り上げを担う役割もあり、現場では難しい対応を迫られている。

 「安全安心な聖火リレーを実現するのが第一」。広島県実行委員会の事務局である県スポーツ推進課の担当者は力を込める。県内に聖火が入るのは1カ月後の5月17日。沿道での観客の密状態を避けるため、ルートとなる12市町で掲げるプラカードの用意などを検討する。現在、対応策を精査しているという。

 5県のトップを切って同13日にリレーが始まる山口県の実行委は、マスク着用や、声でなく拍手での応援を呼び掛けるA3判のカードを準備する予定。岡山県は、主要駅やバス車内に同様の感染防止策を記した紙を張り出し、事前の周知を図る計画だ。

 感染再拡大の恐れが強まる中、大阪府や松山市などで公道のリレー中止が決まるなど、聖火リレーの開催方法は揺れている。中国地方でも今後、感染状況によって変更となる可能性もある。

 既にリレーの縮小・簡素化を検討しているのは鳥取県だ。沿道の観客は定員制とし、著名人ランナーは公道を走らないなどの対応に切り替える方向で詰めの協議を進めている。県スポーツ課は「責任を持って最大限の感染対策に取り組む」と強調する。

 一時、リレー自体の中止を検討していた島根県は、6日に一転して実施を容認し、密集回避などで市町村と調整に入った。対策の一つとして、リレーで伴走するスポンサー車両のスピーカー音量の制限を大会組織委員会に要請している。

 聖火が通過する各県の市町村は、感染対策と機運醸成の両立に苦慮する。広島県で最初の出発地となる三次市。当初は地元の小中学生を沿道に招く予定だったが、小学生はインターネット中継での観覧に切り替える。一方、同県の最終地点の福山市では聖火到着を祝うイベントを計画。受け付けにアクリル板を設置するなど注意を払うという。

 山口県内での初日のリレーを締めくくる山口市でもセレモニーが予定されている。市の担当者は「沿道で密になるのは問題だが、観衆がいないのも寂しい。現場として悩ましい」と苦しい胸の内を明かす。(浜村満大)

 <クリック>東京五輪の聖火リレー 全国47都道府県でスポーツ選手や郷土ゆかりの芸能人、市民たちがトーチをつなぐ。3月25日に福島県をスタートし、7月23日に東京都でゴールを迎える予定。中国地方では、5月13〜14日に山口県の13市▽15〜16日に島根県の14市町村▽17〜18日に広島県の12市町▽19〜20日に岡山県の12市町▽21〜22日に鳥取県の全19市町村―を巡る。 

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