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「上田家文書」デジタル化 広島藩などの記録、三原市教委がHPで公開へ

2021/4/18 22:46
三原市の旧市立中央図書館の書庫で保管されている上田家文書

三原市の旧市立中央図書館の書庫で保管されている上田家文書

 三原市教委は、広島藩家老を務め茶道上田宗箇(そうこ)流の宗家である上田家の古文書群「上田家文書」について、本格的な調査とデジタル化に乗り出す。旧市立中央図書館(円一町)に約2400点を所有しており、藩政などがうかがえる貴重な資料の整理を進めて市ホームページ(HP)で公開する。

 文化課によると、昭和初期に広島市内にある上田家が家財を処分した際、大量の文書類が運び出されるのを三原町図書館(当時)の初代館長・沢井常四郎が目撃。散逸を危ぶんで「三原に持って来るように」と声を掛け、まとめて入手したと伝えられる。以来、三原市内で戦時下の空襲も逃れてきた。

 今回の調査では、市文化財に指定する可能性も見極める。上田家の営みを記す資料には、1776年に倒壊した厳島神社(廿日市市)大鳥居の再建で資金集めに苦労した様子や、新たな藩主が江戸から初めて広島入りする際の経路、藩主の使いで将軍に会ったことなどが記録されている。

 市教委は2021、22年度で半数ずつ調査して目録を作る。1点ずつ概要や見どころをまとめて写真撮影し、デジタル化する。市が所蔵する明治から昭和にかけての写真や絵はがきを閲覧できる市HPのコーナー「ミハラペディア」に随時、上田家文書のコンテンツを追加していく。

 21年度の事業費は約400万円。6月にも委託業者を決め、資料整理に当たる古文書調査ボランティアを育てる市民講座も始める。文化課は「デジタル化により、新たな展示の場を設けなくても貴重な資料を手軽に閲覧できる。多くの人にアクセスしてもらえるよう作業を進めたい」とする。(川崎崇史)

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