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大崎上島救った船頭を記念碑に 住民グループ、建立費募る

2021/4/19 21:52
記念碑建立の予定地で、協力を呼び掛ける松島さん(右)たち

記念碑建立の予定地で、協力を呼び掛ける松島さん(右)たち

 広島県大崎上島町の住民グループが、江戸時代に飢餓で苦しむ島民を救うため命を落としたとされる船頭、直兵衛の記念碑建立を計画している。島に尽くした先人の存在を伝え、郷土愛を育むとともに、観光客の誘致につなげたい考え。費用の寄付を募っている。

 計画では、記念碑は自然石を用い、高さ約1・8メートル、幅約1・2メートル。伝承を伝える銘板も設ける。場所は、同町南部の沖浦にある県道の緑地帯を確保した。伝承に登場する海を望み、町観光協会が観光スポット「青と白の岬」としてPRする中ノ鼻灯台や、奇岩「弓張岩」に近い場所を選んだ。

 伝承によると、直兵衛は島出身で大坂(現大阪)の船頭。江戸後期の1826年、年貢米を九州から大坂に運ぶ途中、故郷の島民が凶作で飢餓に苦しんでいると知り、島の沖合で難破したように偽って米を届けた。しかし、沈めたつもりの船が四国に漂着し「流用」が発覚。33歳で刑死したとされる。

 グループは、住民たち25人でつくる「直兵衛さんを偲(しの)ぶ会」。2017年から毎年、直兵衛の命日に合わせて同町東野の墓前で法要を続ける。物語を町民に広く継承しようと、地域のサロンで紙芝居を上演したり、伝承を引用したオリジナルの歌を作ったりしてきた。

 建立費用は250万円を見込む。事務局長の松島勇雄さん(66)は「島を救った義人を知ってもらい、感謝の心を伝えたい」と協力を呼び掛けている。松島さんTel090(2296)6555。(渡部公揮)


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