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迫る「第4波」飲食店悲鳴 広島の歓楽街「活気、いつ戻るのか」

2021/4/20 22:46
「早く元の状態に戻ってほしい」。アクリル板を置くなど感染防止策を講じた店内で、開店準備をする中本さん(撮影・藤井康正)

「早く元の状態に戻ってほしい」。アクリル板を置くなど感染防止策を講じた店内で、開店準備をする中本さん(撮影・藤井康正)

 大阪府が20日、新型コロナウイルス禍で緊急事態宣言の発令を要請するなど「第4波」の様相が強まる中、中四国最大の歓楽街、流川・薬研堀地区(広島市中区)の飲食店が先行きに不安を募らせている。広島県が集中対策期間を解除して2カ月。再び感染者がじわり増え、より強い規制が今後出される可能性もある。「どうすればいいのか」。店主たちから悲鳴が上がる。

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 「コロナがここまで長引くとは。このままの状態が続けば厳しい」。「居酒屋一のや」の店主、中本尚克さん(43)は、ため息交じりにつぶやく。

 店をオープンしたのは2011年11月。客席は30席ほどで、週末には満席になる日も多い人気店だった。

 しかし、昨春からの新型コロナ禍で状況は一変。大人数の予約が減り、売り上げは半分以下になった。何とかしのごうと一時的に昼のテークアウトにも取り組み、その後、感染者が落ち着いて売り上げは通常の7割ほどに。だが県の集中対策期間となった昨年12月以降は再び5割以下に逆戻りしている。

 そして今、「第4波」の入り口で身構える。「自粛疲れ」からか中心部の人通りは以前より増えたよう。たくさんの客を迎えたい半面、感染への恐れも付きまとう。20日の県内の新規感染者は27人。「ワクチンが普及しない限り手の打ちようがないのでは」とジレンマを明かす。

 流川・薬研堀地区を歩くと、看板のネオンが消えたままの雑居ビルが多い。この1年でスタンドやスナックが次々と廃業した事実を物語る。第4波で街はどうなるのか。いつか活気は戻るのか。先行きは見通せない。

 「自分にはどうにもできない。もう、なるようになれって」。同地区にあるスタンド「竹腰」のママ、竹腰由香さん(42)は嘆く。

 昨年12月は客が一人も来ない日もあった。経費を削るためアルバイトの女性に休んでもらいカラオケや固定電話の契約は解除した。それでも経営は苦しい。

 今も時間を見つけては、スマートフォンの検索欄に「個人事業主」と打ち込み、支援策を探し求める。行き着くのはいつも同じ答えだ。「店を続けるほかにできることはない。やるしかないの」。不安を押し殺し、今夜も1人でカウンターに立つ。(浜村満大、山崎雄一) 

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