地域ニュース

18人殉職、忍び寄る風化 呉市山林火災、27日で50年

2021/4/21 21:54

 呉市街地北部の灰ケ峰の東にある大張矢(おおばりや)山で、消火活動に当たっていた市消防局の消防士18人が犠牲になった「呉市山林火災」から、27日で50年となる。戦後最悪の山林火災ともいわれるが、記憶の継承が広くなされているとは言い難い。遺族たち関係者は、教訓として生かすことを願う。

【関連記事】「18人の死、忘れてはいけない」父亡くした消防士の吉谷さん

 多くの殉職者が出た大張矢山の中腹に、「山林火災殉職者慰霊碑」が立つ。路上でフェンスが閉じられ、普段は入れないエリア。毎年4月27日、消防職員と遺族が参列し、碑前で追悼式が開かれる。だが、遺族の高齢化などで参列者は年々減っている。

 現行の市のホームページ「呉の歴史」の中に、この山林火災についての記載はない。面積の約55%を山林が占める市で、記憶の風化が忍び寄る。市によると、今年も例年を踏襲し、市消防局の主催で現地のみで追悼式を開く。一般の参加は、新型コロナウイルス対策で受け付けていない。

 市消防局によると、市内の山林火災は記録が残る1965年以降、67年の90件をピークに減少傾向で、昨年は2件だった。森島和雄局長は「一人の犠牲者も出さないための教訓に変わりはない。訓練で意識することはもちろん、OBに話をしてもらうことも考えたい」と話す。(池本泰尚)

 <クリック>呉市山林火災 1971年4月27日に発生した大規模山林火災。午前11時10分ごろ、大張矢山中腹の災害復旧現場の作業員のたき火から燃え広がった。消火活動に当たっていた21〜55歳の消防士18人が、突風で吹き上げられた炎と煙にのまれて死亡。火は約24時間燃え続け、約340ヘクタールを焼いた。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧