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三次人形6代目窯元の丸本さん死去 関係者ら人柄しのぶ

2021/4/22 21:17
地域文化功労者文部科学大臣表彰を受け、三次人形を手に喜ぶ丸本さん(2018年)

地域文化功労者文部科学大臣表彰を受け、三次人形を手に喜ぶ丸本さん(2018年)

 広島県の伝統的工芸品に指定されている三次人形の6代目窯元の丸本〓(たかし)さんが亡くなっていたことを22日、遺族が明らかにした。県の無形文化財保持者だった丸本さんと親交のあった三次市内の関係者たちは人柄をしのび、別れを惜しんだ。

 遺族によると、丸本さんは3月13日、同市十日市南の窯元で仕事中に倒れ、翌日に脳卒中で死去した。76歳。5代目の母親から手ほどきを受け、1995年に6代目になった。2018年には地域文化功労者文部科学大臣表彰を受けた。

 妻のみつ子さん(70)は「仕事に厳しく、顔を描くのは一発勝負だと言って集中していた。休みの日は山登りや温泉によく行った」と肩を落とす。後継者は未定という。

 三次人形の制作は江戸時代後期に始まったとされる。素焼きの土人形に赤や緑の泥絵の具を重ね、つやを出すにかわを塗る。光沢があり、「光人形」とも呼ばれる。県北では、三次人形を子どもの節句に贈る風習がある。

 19年には、県立歴史民俗資料館(小田幸町)で三次人形の一つ「猫」を作るワークショップがあった。葉杖哲也・主任学芸員(56)は、熱心に指導する丸本さんの姿が印象に残っている。「みんなに親しんでもらいたいという思いを感じた」と振り返った。

 三次町で玩具店を営み、人形を販売する松本和男さん(73)は「亡くなって残念だ。材料の研究や人形を鑑定する勉強にも励み、満足することはなかった」と探究心を評価する。

 市は、国際交流の贈り物に三次人形を選ぶこともあるという。19年、丸本さんに市民栄誉賞を贈った。福岡誠志市長は「新たな継承の取り組みを提案していたところだった。職人気質がありながら温和な面もあり、面倒見のよい人だった」と惜しんだ。(小山顕)

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