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【さんいん山話・ちゅうごく山話】船通山(1142メートル)=島根県奥出雲町、鳥取県日南町【動画】

2021/4/23 20:51
見頃となった船通山山頂のカタクリ(21日)

見頃となった船通山山頂のカタクリ(21日)

 ▽カタクリと神話が彩り

 まるで登頂を祝うかのように薄紫の花畑が出迎えてくれる。島根県奥出雲町と鳥取県日南町の県境にある船通山は、ユリ科の多年草、カタクリで人気の山だ。下向きに咲いた直径5センチほどの花が山頂の約300平方メートルに渡って咲き広がる。

 例年4月下旬から5月初旬にかけて見頃となり、多くの登山者でにぎわう。今年は10日ほど開花が早く、4月21日にほぼ満開となった。福山市神辺町の大杉政則さん(73)は「こんなスケールで群生しているカタクリは初めて見た。感動した」と目を細くした。

 古事記や日本書紀に登場するヤマタノオロチ神話の舞台でもある。天上界を追われた須佐之男命(すさのおのみこと)がこの地に降り立ち、娘を食べる大蛇を退治した。日本遺産、石見神楽の演目でもおなじみのストーリーだ。

 山頂には、ヤマタノオロチを退治した際に尾から出現したとされる天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)の記念碑が立つ。三種の神器の一つで草薙剣(くさなぎのつるぎ)とも呼ばれる。8合目には、ヤマタノオロチのすみかと伝わる鳥上滝もある。かつては大きな滝つぼがあったとされるが、現在は幅1メートルほどしかない。

 「神話と花に彩られた誇りの山。たくさんの人に気持ちよく登ってほしい」。島根県側の麓の住民でつくる船通山友の会の安田充志会長(70)は、登山道の整備やカタクリ群生地の草刈りなどを続ける。

 山頂は360度のパノラマが広がり、大山や三瓶山などが見える。鳥上滝ルート登山口からの歩行時間は約2時間。

 【記者のひとこと】島根県側からは、鳥上滝を経由する鳥上滝コースと、比較的緩やかな亀石コースがある。

 鳥上滝コースは岩を石畳風に配置したり、急傾斜に鉄製の階段を設けたりしているので歩きやすい。標識も多く、道を外れる恐れも少ない。

 カタクリが開花する時期は平日でも登山者で混雑するため、鳥上滝コース登山口の駐車場が満車になる。2キロほど下った、わくわくプールの駐車場から歩く人も多い。

 登頂したら、鳥取県側に100メートルほど下った地点にある国天然記念物、船通山のイチイも訪ねてほしい。雪害で折れて高さ3メートルほどの目立たない木だが、樹齢2千年と伝えられる。斜面をはうように扇状に伸びる枝が20メートル以上ある。

 亀石コースは、駐車場のある亀石コース登山口と山頂の往復で約2時間。

 このほか鳥取県側から約1時間50分で回れるコースもある。

 【アラフィフ記者(登山歴12年)の評価】

難易度★☆☆☆☆

体力度★★☆☆☆


この記事の写真

  • ヤマタノオロチ伝説に登場する天叢雲剣を記念した碑
  • ヤマタノオロチのすみかと伝わる鳥上滝。落差は16メートルある
  • 奥出雲町横田から見た船通山
  • 山頂に咲くカタクリ(2021年4月21日)
  • 国天然記念物に指定されている船通山のイチイ。奥の斜面をはうように繁茂している
  • 鳥上滝コースの登山口
  • 歩きやすいように岩が配置されている鳥上滝コース
  • 鳥上滝コースにある鉄製の階段

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

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